メディアアートは、ひとことでまとめにくい現代美術のジャンルのひとつです。

今回は、「テクノロジーやパソコンをつかって作品をつくる、というメディアアートではなく、そういうメディアそのものについて考えるための装置や仕組みを『作品』と呼びたい」と語るアーティストの八木良太さんに話を伺いました。

2014年神奈川県民ホールギャラリーでの展覧会のようす

2014年神奈川県民ホールギャラリーでの展覧会のようす


 


身近なものをつかいながら、不思議な感覚がする作品

例えばこの《Vinyl》。なんと、氷でできたレコードなんです。しかもこの氷のレコードをプレーヤーに掛けると、音がちゃんと鳴ります。

八木さんがレコードの構造を知ったことから生まれた作品で、シリコンでレコードの型を取り、そこに水を入れて凍らせてつくります。氷から音がするなんてびっくりしますよね。八木さんの制作姿勢の基本である「何かと何かを結び付けたら、別の何かができる」ことが分かります。

《Vinyl》2005年undefinedシリコン、精製水、冷凍庫、レコードプレーヤー

《Vinyl》2005年 シリコン、精製水、冷凍庫、レコードプレーヤー


 

自分が驚きたいから作品をつくる

八木さんはなぜ作品をつくるのでしょうか。
「自分の好奇心をもとに、驚いてみたいし、何かを発見したいからです」

最近イタリアに出張した際、世界遺産の谷であるバルカモニカに寄った八木さん。昔の人たちが岩を削って絵を描いたという岩肌を見て、「3Dの技術を結び付けたらどうなるだろう?」と、次の作品のアイデアが浮かんだそうです。
「自分の頭で考えたことと体の経験に関係することが作品になります」