アート・美術展/アーティストはどういう人?

レコードを氷で作る?八木良太さんのアート(2ページ目)

アート作品をつくる人=アーティストとは、どういう人なのでしょうか。いま生きているアーティスト、つまり現代美術のアーティストに直撃し、制作や作品の背景、アーティストの生きかたについて話を聞いてみましょう。今回はメディアアートと呼ばれる作品を手掛ける八木良太さんです。

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

チョイスに個性

世の中には、八木さんの作品に似ているものをすでにつくっている人もいます。しかし大切なのは「美術の文脈を読むこと」。つまり「美術というジャンルの中で、作品を見ること」が大事なのです。

そうやって見ると、八木さんの作品は八木さんしか手がけていない、作品を「オリジナル」と呼ぶことができます。実際、作品をいくつか見ていると、やはり個性や独特の面白さを感じます。

たとえばこれ。たこ焼き器にパソコンがくっついた?という風にしか見えませんよね。

《Takoyaki Sequencer w/ Takehisa Mashimo》2014年undefinedたこ焼き器、PC、ウェブカメラ、アームライト、スピーカー

《Takoyaki Sequencer w/ Takehisa Mashimo》2014年 たこ焼き器、PC、ウェブカメラ、アームライト、スピーカー


 

いえいえ、れっきとした八木さんのアート作品です。たこやき器の上に設置したカメラが、ランダムに置かれたたこ焼きの配列を読み込み、その配列によって音が生まれ、メロディが流れます。

「機械のつかいかた、音の選びかたといったチョイスに『八木良太らしさ』があるのでしょう」

八木さんはこの作品で、実際にたこ焼きを焼きながら音を出す、というパフォーマンスもしているそうですよ。


大学教員とアーティストの二足のわらじ

八木良太さん

八木良太さん


 
八木さんは大学で空間デザインを教えながら、美術館やギャラリーで発表をしています。大学で働く収入だけでなく、展覧会でもお金を得ています。美術館での展覧会では、美術館から「制作費」が八木さんに支払われ、ギャラリーで展覧会をするときは「作品の販売した売上」が八木さんに入ります。


八木良太 展覧会情報

「ザ・コンテンポラリー1 われらの時代:ポスト工業化社会の美術」
金沢21世紀美術館
2015年4月25日(土)~8月30日(日)
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