アート・美術展/アート・美術展関連情報

2006年6月の展覧会・イベント情報

毎月おすすめの展覧会・イベント情報をお届けします。2006年6月は吉原治良展、アフリカ・リミックス展、束芋展、ICCリニューアル&イベント情報をお届けします。

執筆者:橋本 誠

文章:橋本 誠(All About「アート・美術展」旧ガイド)

2006年6月のおすすめ展覧会・イベント情報をお届けします。

生誕100年記念 吉原治良展

《黒地に赤い円》
《黒地に赤い円》1965年/兵庫県立美術館

常に新しい絵画を求め続けた前衛美術のパイオニアであり、1950~60年代にかけて「具体美術協会」のリーダーとして活動、海外でも高く評価されている吉原治良(よしはら じろう)──。生誕100年を記念した大回顧展が東京国立近代美術館で開催されます。(その後、宮城県美術館へ巡回)

作家肖像
作家肖像(1958年撮影)
1905年、大阪・淀屋橋南詰に生まれた吉原治良は独学で油絵を学び、1928年の初個展で注目を集めます。

その後、藤田嗣治との出会いを通じてオリジナリティーの重要性に開眼した彼は、白昼夢のような海辺の風景を描き、さらには抽象絵画の探究へと進んでいきます。

《作品》
《作品》1960年/兵庫県立美術館(山村コレクション)
1950年代には激しい筆致と絵具の物質性を活かした抽象絵画を描くようになり、1954年の具体美術協会結成後は、「他人の真似をするな」という信念で若い芸術家たちを導く一方、自らは単純にして多様な「円」の表現を突き詰めていきます。

今回の回顧展には、彼の代表作を中心に、最初期の作品やこれまでほとんど見る機会のなかった戦時中の素描なども合わせて約190点の作品が出品されます。関西を本拠地としていたため、このような大規模な回顧展が東京で開催されるのは実は初めて。

戦前・戦後の前衛絵画をリードした、吉原の多彩な創造の全貌に迫ることができそうです。



【生誕100年記念 吉原治良展】
■会期  2006年6月13日(火)~7月30日(日)
■会場  東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園 3-1)
■休館日 毎週月曜(ただし、7月17日は開館、翌18日休館)
■開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
        毎週金曜日は20:00まで(入館は19:30まで)
■観覧料 (  )は20名以上の団体料金
 一般  \800(\600)
 大学生 \500(\350)
 高校生 ¥300(¥200)
 小・中学生 無料
■問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
■主催  東京国立近代美術館/朝日新聞社
■特別協力 大阪市立近代美術館建設準備室/芦屋市立美術博物館

<巡回予定>
■会場 宮城県美術館(宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1)
■会期 2006年8月6日(日)~10月9日(月・祝)

<同時開催>
【持続/切断-毛利武士郎・村岡三郎・草間彌生・河原温】
1930年前後に生まれ、50年代にデビューして以来、現在まで質の高い制作を続けてきた戦後日本の美術を代表する作家4人に焦点をあてた小企画。所蔵作品を中心に、それぞれの初期作品と、80~90年代の近作があわせて紹介される。
■会場 東京国立近代美術館 ギャラリー4(2階)
■会期 2006年5月30日(火)~7月30日(日)

詳しくは東京国立近代美術館ホームページにて。

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