ハートリー作品が楽しめる
怪奇小説アンソロジー
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日本にも多くのファンを持つ絵本作家エドワード・ゴーリーが編者を務めたアンソロジー。全12編が収録されている。 |
ハートリーの短編は様々なアンソロジーに採られており、その約半分は本書でも楽しめるが、他の短編も読みたい人には――現時点で入手可能なものとして――
『憑かれた鏡』『幻想と怪奇 ポオ蒐集家』『棄ててきた女』の3冊をお勧めしておきたい。
『憑かれた鏡』はナンセンスな残酷絵本で知られるエドワード・ゴーリーの編んだ怪奇小説集。各話にゴーリーの描いた扉絵が付されており、物語のイメージがビジュアルで示されているのも本書の大きな見所だろう。
『幻想と怪奇 ポオ蒐集家』は全3巻からなる〈幻想と怪奇〉シリーズの第1巻で、ロバート・ブロック、レイ・ブラッドベリ、P・K・ディックなどの(広義の)幻想小説が14編収められている。
『棄ててきた女』は〈異色作家短篇集〉の第19巻。ジョン・ウインダム、ジェラルド・カーシュ、ジョン・メトカーフなどのイギリス作家による13編の"異色短編"を束ねた1冊である。
目当ての作品だけを読むのではなく、他の収録作に接することで好みの作家や作品を発見できる――アンソロジーにはそんな楽しみがある。贔屓の短編作家をきっかけにアンソロジーに接することは、読書の幅を広げる有効な"戦略"にほかならないのだ。
【関連サイト】
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