男の夜遊び/クラブ・カラオケ・音楽コラム

お立ち台はなぜ潰れないのか?(3ページ目)

ド派手なボディコンにジュリ扇で世の男性たちを魅了したジュリアナ娘たち。ジュリアナは消えたがお立ち台は消えず。ということで、ジュリアナ文化の総括とお立ち台の現状を探ってみました。

大脇 克浩

執筆者:大脇 克浩

男の夜遊びガイド

伝説のディスコ遊びよ、よみがえれ!

しかし、来る1994年。お立ち台の象徴、あるいは端緒だった『ジュリアナ東京』が閉店。その理由はいくつも聞かれた。

「格好が奇抜になりすぎた」「下手なキャバクラより刺激的で歯止めが利かなくなってしまった」「田町というある程度隔離された場所だったので黙認されていたが、夜の一大観光名所になり、ジュリアナ帰りの車の交通整理のため交通機動隊が出動するまでになってしまった」等々。

要するに「やり過ぎだろ」、と。それらはお立ち台の撤去につながり、ついにはジュリアナの終焉に繋がってしまった。お立ち台が低い、女性が目立てないディスコに女性たちは興味を示さなかった。女性がいないナンパ箱に男性が集まるはずがない。つまり、悪循環になったのである。

それ以降、低いお立ち台でパラパラを踊る際にいかにして目立つかということで顔グロ、原色ギャル、厚底サンダル(厚底サンダルはその間、高さをカバーするために生まれたアイテムである。この辺の話を書き出すととりとめもなくなりそうなので、またの機会に)、などがブームになった。そして、長い年月を経て昨年末、六本木『ヴェルファーレ』が終焉して久しいが、現在のお立ち台はいかなる状況にあるのだろうか。そう思って周囲を見回してみると、大ブーム! とは言えないまでも、まあ、それなりの固定した層が形成されているようだ。

実は、クラブにお立ち台があった!

たとえば、お立ち台が用意されている代表的なクラブを挙げると、『エーライフ』をはじめ、『フラワー』、『キャメロット』、『クロス』、『ガーデン』などがある。現在のお立ち台は、昔に比べれば気軽に上がれるのが売り。これらのクラブに共通して言えるのはオールジャンルで、ヒップホップやR&Bなどで酒を飲みに行かせるような時間もあれば、トランスでガンガン踊る時間もあるという点。

なお、トランスには新宿のクラブ『コード』のイベント「サンモニ(日曜日の早朝から開催されているイベント。サンデーモーニングの略)」で生まれたトランスにパラパラの振り付けで踊るトラパラがあり、トラパラ好きのOLたちが大挙して訪れ今でも小さなお立ち台戦争が行われている。女性は常連というブランドや付加価値を付ける意味で上がっているのは、昔も今も変わらない。

ちなみに、トラパラの歴史は2003年からとココ数年の話。先の芦沢教授によれば振りが付いた曲数も少ないそうで(定番曲は20曲程度)、今日から始めても明日にはお立ち台にトライできる。トラパラなんてのはまだまだ初期の段階なのだ(まあ、今のトラパラの状況を考えるにこれ以上の発展は望めそうにないのだが…。というのも、トラパラの振り付け師たちが一線を退いており、新曲に振りが付かない状況らしい)。

お立ち台=どれだけ目立てるか、どれだけ自分が気持ちいいかという点では、『ジュリアナ』も『マハラジャ』も『エーライフ』も『フラワー』もその他クラブも等価である。かつてお立ち台で汗を流した熱が沸々と湧いてきた、あるいはこれを読んで興味を持っていただいた向きは、エステの合間にでも行ってみて下さいね。


【取材協力】
・芦沢教授

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ボクにも出来たクラブナンパ事情2

【関連サイト】
クラブ
エーライフ
フラワー
キャメロット
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