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SF映画のセレクト10(2ページ目)

特異なジャンルSF映画の10選をお届けします。みなさんが思い浮かんだSF映画がはたして10内に入っているでしょうか?

執筆者:中野 豊

『ブレードランナー』

ブレードランナー
BLADE RUNNER
『ブレードランナー』
2020年の巨大都市は数百階の超高層ビルがひしめき、薄暗い闇に包まれ無国籍なネオンサインや、異常な交通渋滞で、パトカーは空を飛びかうという、この世界デザインの凄さは美術のシド・ミードとSFXのダグラス・トランブルの功績でしょう。物語は、惑星での戦争に備えて人造人間=レプリカントが大量に生産されていますが、人間そっくりでも精神的に不安定な欠点があり、地球上での使用は禁止されていたのですが、レプリカント4体が脱走して地球にやってくるのです。彼らを人間と識別し抹殺する特殊警官=ブレードランナーというわけです。SF映画の頂点とも言われ、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存されました。また本作には諸般の事情により、5つバージョンが存在します。特に監督が再編集した1992年の「ディレクターズ・カット」では、作品の解釈を変えるような意味深長なシーンが追加され、ファンの間に議論を招きました。

[作品情報]
・1982年/アメリカ=香港映画/上映時間:117min
・監督:リドリー・スコット
・出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ

『エイリアン』

エイリアン
ALIEN
『エイリアン』
H・R・ギーガーのエロティックな美術の素晴らしさと、光と闇・蒸気・炎を巧みに駆使した演出が、単純なプロットのこの作品を一級のSFホラーへ昇華させました。弱点のない奇怪な宇宙生物に宇宙船の乗組員が一人また一人と殺されてゆき、最後に残った女性飛行士リプリーの英雄伝という物語は大当たりし、続編『エイリアン2』はジェームズ・キャメロン演出のアクション大作となっています。出来れば1→2と続けて観ることをオススメします。

[作品情報]
・1979年/アメリカ映画/上映時間:118min
・監督:リドリー・スコット
・出演:トム・スケリット、シガーニー・ウィーヴァー、ジョン・ハート

『未知との遭遇』

未知との遭遇
CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND
『未知との遭遇』
スピルバーグから1本というと、大概の方が『E.T.』だと思うでしょうが、あちらはホームドラマでありファンタジーであり子供の友情物語でもあるので、ここはUFOがハイウェイを輝きながら飛び、マザーシップがキラキラと地球に下りてくるびっくり仰天の映像に当時は「何かとんでもないものを観た」と思わせてくれた『未知との遭遇』を選出しました。バリー少年を連れ去ったUFOが再び姿を現すまでの物語をスピルバーグらしい見せ方で娯楽大作にしています。ダグラス・トランブルのSFXと、フィル・ドッスの音響(特に「あの」5音階)も抜群です。

[作品情報]
・1977年/アメリカ映画/上映時間:135min
・監督:スティーヴン・スピルバーグ
・出演:リチャード・ドレイファス、フランソワ・トリュフォー、テリー・ガー、メリンダ・ディロン

『惑星ソラリス』

惑星ソラリス
SOLARIS
『惑星ソラリス』
世界中の科学者が注目している惑星ソラリスは表面がプラズマ状となっており有機的知能を持つと推測されていました。そこで心理学者が調査に送り込まれるのですが、軌道に入った宇宙ステーション内に狂気がはびこります。ソラリスのプラズマ有機体は、人間の潜在意識に入り込み実体化させるという不思議な世界を作り上げるのでした。それをビジュアル化したタルコフスキー(今回10選唯一のアメリカ外作品)演出の見事さ。カンヌでは審査委員特別賞を受賞しています。

[作品情報]
・1972年/ソ連映画/上映時間:165min
・監督:アンドレイ・タルコフスキー
・出演:ナターリヤ・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス、ユーリ・ヤルヴェット、ニコライ・グリニコ


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