最後まで悩んだ作品は『ブルー・ベルベット』、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、『フルメタル・ジャケット』、そして『ブレード・ランナー』です。
80年代:アメリカ映画のベスト5
BODY DOUBLE 『ボディ・ダブル』 |
(1984年/アメリカ映画/上映時間:114min/監督:ブライアン・デ・パルマ/出演:クレイグ・ワッソン、メラニー・グリフィス、グレッグ・ヘンリー)
・デ・パルマの最高作はどれでしょうか?『キャリー』、『殺しのドレス』、『スカー・フェイス』、『アンタッチャブル』あたりが高評価だと思われますが、ガイドのイチオシはB級カルト映画の香りがぷんぷんする本作です。ヒッチコックの後継者デ・パルマが『裏窓』、『めまい』をモチーフにしたばかりか、技術的にもかつてのヒッチコック映画で使われた技法を駆使したエロティックスリラー。メラニー・グリフィスの出世作としても記憶に残したいのですが、ストーカー、覗き、下着泥棒とヘンタイ度炸裂です。
ZELIG 『カメレオンマン』 |
(1983年/アメリカ映画/上映時間:80min/監督:ウディ・アレン/出演: ウディ・アレン、ミア・ファロー、ギャレット・ブラウン)
・気の弱い主人公のゼリグはカメレオンのように周囲の環境に反応し、どんな人種にも変化してしまう特異体質の男です。その男を歴史上のドキュメンタリー映像の中にしのばせる技術とジョークは一級品です。この作品の成功が『フォレスト・ガンプ/一期一会』へ繋がった?あると思います!(笑)
E.T. THE EXTRA-TERRESTRIAL 『E.T.』 |
(1982年/アメリカ映画/上映時間:115min/監督:スティーヴン・スピルバーグ/出演:ディー・ウォーレス メアリー、ヘンリー・トーマス、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア)
・本作3位~1位は同列です。その日の気分で入れ替わるでしょう。『E.T.』の説明は不要ですね。『未知との遭遇』で第三種接近遭遇を描いたスピルバーグが、童話のような宇宙人と少年の友情を描いた名作!アカデミー賞の作品賞を逃した時は、「逃したことがニュース」になりました。
ONCE UPON A TIME IN AMERICA 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』 |
(1984年/アメリカ映画/上映時間:205min/監督:セルジオ・レオーネ/出演:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー)
・マカロニ・ウェスタンの巨匠で計7本しか撮っていない、レオーネ監督の遺作です。ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ友情・愛・裏切りをノスタルジックに描く一大叙事詩的大作。キネマ旬報誌で公開年の外国映画第1位になったにしては、その後本作の話題が映画ファンからもあまり聞かれないことは寂しいです。ギャング映画としては『ゴッドファーザー』の影に隠れてしまった観はぬぐえません。
AMADEUS 『アマデウス』 |
(1984年/アメリカ映画/上映時間:160min/監督:ミロス・フォアマン/出演:トム・ハルス、F・マーレイ・エイブラハム、エリザベス・ベリッジ)
・モーツァルトの死をめぐる豪華絢爛な舞台劇を、見事に映画化した音楽映画の最高傑作と言ってもいいでしょう。物語はかつて宮廷音楽家だったサリエリの回想から入り、モーツァルトの人物像を追っていくのです。天才作曲家モーツァルトとその才能に嫉妬するサリエリの感情は痛いほどわかります。未見の方は是非一度はご覧ください。
ガイドが独断で選んだ70年代、60年代、80年代の日欧米のもう一度観たいベスト5を綴ってまいりました。次回はいよいよ90年代、そして50年代と、本シリーズを一気にお届けいたします。お楽しみに。