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もう一度観たい60年代の名作Best5:邦画編(2ページ目)

もう一度観たい70年代の名作映画に続きまして、1960年代のベスト5をお届けします。ヨーロッパ編に続く第二弾は、日本映画から。

執筆者:中野 豊

第2位 『用心棒』

用心棒
ハメットの「血の収穫」を大胆に翻案した『用心棒』DVD発売中 ¥3,990(税込)発売・販売元:東宝
空っ風の吹く宿場町はどこか西部劇を思わせ、凄まじい砂埃は殺気をみなぎらせる効果をあげています。殺陣では殺し合いのはかなさを強調したリアルさで、刀で人を斬る音を入れた日本で最初の映画でもあります。また『羅生門』に続いて2度目の黒澤作品に参加した撮影監督の宮川一夫の映像にも酔ってください。本作の大ヒットで東宝から「三十郎もの」をもう一本作って欲しいとの要望を受けた黒澤明は快諾し、本作に引けをとらない続編『椿三十郎』を翌年に作り上げました。

静まりかえった馬目の宿。そこに現れた素浪人・桑畑三十郎は、ある居酒屋の亭主から馬目宿の現状(2つのやくざの抗争)を聞き考えます。それは2つのヤクザを鉢合わせさせ、破滅させてしまおうというもので、三十郎はものの見事になしとげ、宿場に背を向け去っていくのです。

[作品紹介]
・1961年/上映時間:110min
・監督:黒澤明
・撮影:宮川一夫
・出演:三船敏郎、仲代達矢、司葉子、山田五十鈴、加東大介

第1位 『飢餓海峡』

飢餓海峡
水上勉の同名小説を映画化した犯罪サスペンス・スリラー映画『飢餓海峡』
青函連絡船が転覆して1,000人からの犠牲者を出した実話に基づいた小説の映画化です。

事件と同じころ火災によりある一家が殺害されます。10数年後、犯人は事業家として成功していましたが、犯行直後に犯人が金を与えた娼婦が現れ、当時の出来事を知る娼婦を殺害したことから、犯行にあしがつきます。主人公(三国連太郎)の心理描写と一人の人間に内包する善と悪がものの見事に浮き彫りにされます。

偶然に翻弄される数奇な生涯を、人の深層心理にまで踏み込んだ60年代の最高作と言える「運命」の名作を是非ご覧下さい。

[作品紹介]
・1964年/上映時間:183min
・監督:内田吐夢
・出演:三國連太郎、風見章子、左幸子、加藤嘉、伴淳三郎

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