映画/映画関連情報

ニューヨークの恋人

メグ・ライアン主演のラブストーリー『ニューヨークの恋人』

執筆者:名護 末子

めぐり逢うことは運命・・・過去でも、現在でも──

『ニューヨークの恋人』は、125年の時を越えてニューヨークで出会った二人の運命の恋を描く、とびきりロマンティックで洒落たラブ・ストーリー。物語の冒頭で、メグ・ライアンが演じるキャリアウーマン、ケイトは、4年間付き合った恋人と別れ、相手にとって自分がいかに軽い存在だったかに気づき、ひそかに傷ついている。

そして、『X-メン』『ソードフィッシュ』で人気急上昇の新進スター、ヒュー・ジャックマンが演じる公爵レオポルドは、19世紀のニューヨークで、愛する女性とめぐり逢えないまま結婚相手を決めざるを得ない状況にある。そんな二人が、時間を越えてめぐり逢い、運命の恋に落ちる。

“有能なキャリアウーマン”だったケイトを“幸福なレディ”にしたのは、現代男性にはないレオポルドの騎士道精神。あらゆる女性に「こんなふうに愛されてみたい!」と思わせる率直さと誠実さ、そしてどんな状況にあっても命がけで守ってくれる男らしさでアメリカ中の女性を虜にしたヒュー・ジャックマンは、本作で大ブレイク。ケーリー・グラントやエロール・フリンにもたとえられる彼の正統派スターの風格が、本作をいっそうロマンティックなものにしている。

メグ・ライアンケイトが求めているのは「放っておいても大丈夫」なしっかり者のキャリアウーマンとしてではなく、寂しさや不安を抱えた一人の女の子としての自分を真正面から受け止めてくれる男性。レオポルドが求めているのは、表面をとりつくろわず、思ったままを素直に表現する生き生きとした女性。

しかし、ケイトはお手軽な恋愛が氾濫している世界に、レオポルドは身分や形式に縛られる世界に住んでいるせいで、ともに「自分には本当の恋なんか無理」とあきらめていた。

そして二人は、求め続けていたものを、125年の時を隔てて出会った相手の中に見つけるのだ。時を越えて愛し合うという奇跡を起こし、たった一人で生きぬくキャリアウーマンに運命の恋をプレゼントしてくれたのは、ニューヨークという街だった。

ヒュー・ジャックマンニューヨークは、この映画のもう一人の主役。全編に、作り手たちのこの街への愛情が息づいている。

レオポルドの時代に建設され、ケイトが生きる現代まで変わらない姿で人びとを見下ろすブルックリン・ブリッジは、ストーリーで重要な役割を果たす。そして、長い歴史を経ていながら近代的なビルと見事に調和している重厚な石造りの建物の数々。そのうちのひとつが、運命の恋が始まる舞台となるのだ。

このふたつの世界のニューヨークを見事に描き出したのは、『17歳のカルテ』のジェームズ・マンゴールド監督。さらには、本年度のゴールデングローブ賞最優秀主題歌賞を受賞したスティングの愛の歌“UNTIL...”が本作を最高に演出してくれる。

すべての女性が、あきらめたふりをしながら心のどこかで待ちつづけている、本物の恋。恋に燃える一瞬だけではなく、未来もずっとおとぎ話のヒロインでいさせてくれる理想の男性。その両方に出会えるのがこの映画。すべての人を幸福にしてくれる今年一番のラブ・ストーリーだ。

初夏、日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
Marketing Produced by オメガ・エンタテインメント / ギャガ・ヒューマックス共同配給

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:メグ・ライアン、ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、ブレッキン・メイヤー、ほか

『ニューヨークの恋人』オフィシャルサイト

ARTWORK(C)2001 MIRAMAX FILM CORP.ALL RIGHTS RESERVED.

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