テクノポップ/90年代以降のテクノポップ

ゼロ年代(2)2001年~Daft Punkで明ける(4ページ目)

第2回は、Daft Punkのモンスターヒット『Discovery』で明ける2001年。エレクトロクラッシュ系の台頭、北欧の切なさいっぱいのRoyksopp、くるり、宇多田ヒカル等・・・

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

▲Richie Hawtin『De9:closer to the edit』(2001年9月)


研究生:
DE9: Closer to the Edit
ミニマルテクノシーンでは当代No.1のDJが、PCソフト「ファイナルスクラッチ」を活用して100曲以上を一気にミックス。DJの概念を変えるミックスアルバム!と話題になりました。ただし、身構えずに聴く限りではあまりスムースすぎるミックスのせいで、その凄みが逆によく伝わってこないかも(笑)。それよりもむしろ、90年代テクノ的な“盛り上がり”がほとんどないのにも関わらず、リスナーをまったく飽きさせない名人芸に身を委ねてほしいところ。“テクノはミニマルだからこそ心地よい”というフィーリングが見事に表現されています。

“内省的なのにダンス・オリエンテッド”というベクトルは、2000年でピックアップした田中フミヤと同じく、ゼロ年代ミニマルテクノとシンクロしているように思えます。さらにシーンの現在のトレンドであるハウシーなパーカッシヴさも、すでにこの時点で若干ですが反映されていたり。ちなみに当時は、Richieの髪型が花形満チックという突っ込みどころも話題になりました。ミニマルシーンのおしゃれチャンプです。


■Royksopp『Melody A.M.』(2001年11月)


先生:
Melody A.M. Special Edition
ノルウェーのベルゲン出身のRoyksoppのデビュー・アルバム。現在、サードまで出していて、それぞれ好きなのですが、このアルバムは別格です。「Remind Me」「Eple」「Poor Leno」あたりは、永遠のスタンダードです。大まかに言ってしまえば、ちょっとチルアウト気味のエレクトロニカなんですが、ジャンル的には分類し難い・・・北欧のせつなさとファンキーさが入り混じったテクノポップと言ってもいいのでは? ラウンジビーツ(ラウンジっぽいブレイクビーツ?)と呼んだりする人もいました。ライヴがかなり弾けていたのが、意外かつ素敵でした。このアルバム以降、僕はかなり北欧熱はいりましたもん。

せつないノーウェジアン・ポップ
ロイクソップとベルゲン・ウェイヴ
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