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アーティスト・インタヴュー~Part I 直撃!LIZARD・モモヨさん #1

アーティストの本音が聞けるe-mailでのインタヴューで構成したClose Up!特別企画! 今回は、日本のニューウェイヴ創世記とも言える東京ロッカーズ・シーンの中心的役割を担ったLIZARD(紅蜥蜴が母体)のリーダー、モモヨで知られる菅原保雄さんに登場願いました。現在、Babylonic.comも運営。業界ニューウェイヴに対するフェアーな発言には注目。長編なので、次回#2へと続く。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

LIZARDのリーダー、モモヨさんにアーティスト・インタヴューの記念すべき第1回に登場していただきました。

――覚えておられたら、最初に買ったレコードを教えてください。

シングル盤は、ベンチャーズだったと思います。ただし、うちにはGIだった叔父が置いていったSPプレーヤーがあって、コメッツの『ロック アラウンド ザ クロック』などを聴いておりました。アルバムはビートルズのベストか、ジュリーアンドリュースのサウンドオブミュージックか、どちらかです。

――紅蜥蜴時代にテレビのワイドショーに登場されたという記事を読んだ覚えがあります。 (僕自身はそれを見ていないのですが、)その時に起こったこと、放映後の反響(苦情等もあったとか)について教えてください。

この時には、さして意識していないのですが、タイトルが『暴力ロックバンドをささえる少女達の金と性』みたいな感じで、青島幸男、中山千夏、野末陳平、八代英太氏など、後に議員になる人たちばかりが出演してました。

起こったことは、私がロートレアモンの詩句みたいな暴力礼賛をつぶやき、若林が仮面ライダーベルトをくるくる回しながら、バカヤローを連発。他のメンバーが、ロックのためなら火付け、強盗なんでもやるぜ、とうそぶいてたわけです。あと、女の子達が、好き勝手答えていたわけです。つまり、モラルは自分達が作る、そこには、美意識があり、どんなに金を持っている男でも美しくない奴は魅力がない、そんな感じでした。

紅蜥蜴、LIZARDの常ですが、私自身はどちらかというと理論派で、扇動やアジテーションは若林の担当だったのです。演奏は今、mp3.comにアップされている『黒い人形遣い』をテロップ付で流しました。これが、10分以上の演奏だったらしいのですが、私には記憶がありません。つまり、確信犯ではなかったのです。番組中、他のコーナーの後ろで若林がライダーベルトを光らせて遊んでいたりしたのも、お茶の間の反発を買ったようです。

とにかく、番組が始まって数分で苦情電話が殺到し、番組中に局の回線がパンクしたらしいのですが、私は、これを現場に取材にきていた雑誌社のひとから聞きました。結果的に番組ジャックになったわけですが、私達は、テレビを借りて自分達の主張をぶちまけただけです。

――紅蜥蜴からLIZARDへと進化していく過程に於いて特に影響を与えてくれた人やものがあれば、教えてください。

まず、ジャン・ジャック・バーネルがいますね。あと、鋤田さん(写真家)とかポパイで雑文を書いていた松山さん(ライター、加藤和彦と組んでいた作詞家でもある)。そして、何よりも、紅蜥蜴を閉塞状態に追い込んでくれた当時のプリライブハウス(新宿ロフト等が無かったニューミュージック時代のライブハウス)シーンなんかは、最大の恩人でしょう。
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