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ジャズベース特集(2ページ目)

ジャズの土台を支えるベーシスト特集。他の楽器にかくれてしまいがちなベースをクローズアップ!初級演奏解説も…

執筆者:佐久間 啓輔

現代ジャズの巨匠
ロン・カーター

この人は非常に絵になる人だと思います。昔、コマーシャルにも出演していましたが、ケースに入ったベースを持ってニューヨークの町を歩く姿が印象的でした。お勧めはマイルスの『フォア・アンド・モア』。60年代最強のリズムセクションによる究極の演奏は、まさにカーチェイス!ロン・カーターのオーソドックスな演奏を聴きたいという方は、最近のリーダー作がいいと思います。チェロの名手(?)としても知られています。

 

奇才!
チャールス・ミンガス

由緒あるホールの床にベースのスタンドを突き刺して演奏してしまう男。テレビの取材中にライフルを発砲して警察沙汰になる男。フィルムで見たことのあるエピソードだけでもこれなのに…恐ろしい。ミュージシャンとしては奇才そのものです。常に新しいアイデアを模索しながら、しかしその根底にブルース色の強いジャズが感じられる。エリントンやモンクに共通したものを持っている人だと思います。
代表作はもちろん『直立猿人』。クールにユーモアを感じさせてくれる音楽です。

 

ジャズベーシストの鏡(?)
レイ・ブラウン

ある意味ジャズベーシストの鏡だと思います。ピアノのオスカー・ピーターソンとドラムのエド・シグペンからなるトリオで演奏されたジャズは、メインストリーム中のメインストリーム。昨年の7月に亡くなったとき(ちょうど1周忌ですね)、新聞各紙で報じられたのが思い出されます。お勧めは『プリーズ・リクエスト(WE GET REQUESTS)』。リクエストの多かったスタンダード、ベスト10といったところでしょう。高級感あふれる至高の逸品となっております。

 

天才は薄命
ジャコ・パストリアス

エレキベースの演奏スタイルを一新させてしまった天才ジャコの最期は、浮浪者同然ののたれ死にだったという。広島城のお堀に自分のベースを投げ込んでしまったエピソードをもつジャコは、ステージに泥んこまみれで登場(ライブアンダーザスカイのTV放送でお茶の間にも…)。なんでも、アフリカ系のアメリカ人になりたかったそうですが、いやはや。そんなジャコのお勧め盤は『ワード・オブ・マウス』。演奏家としての超絶技巧はもとより、音楽家としてのジャコの天才ぶりがうかがえます

 

流行を作る男!
マーカス・ミラー

マイルスに見出され、今ではジャズ・フュージョン界の最先端をはしり続けるマーカス。マイルスのバンドではビクビクやっていたものの、マイルス没後はのびのびとしています。でも“あの頃”のマーカスっていいんですよね。ということでお勧め盤はマイルスバンド時代の『スター・ピープル』。なりふりかまわず一生懸命ベースを弾く姿が目に浮かぶ、若々しい勢いのあるベースを聴くことができる作品です。


目立たないベースという楽器のなかでも、目立たずに素晴らしいことをやってのけるミュージシャンも少なくはありません。オーディオの“BASS”をちょっと上げてベーシストを中心に聴いてみると、聴きなれているCDもまた違った面をみせてくれるかもしれませんよ。

 

関連リンク:海外のベーシスト日本のベーシスト

バックナンバー:ギタリスト特集トランペット特集ジャズドラム特集ジャズピアノ特集

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