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ジャズドラム特集(2ページ目)

やってみたい楽器ナンバーワン!普段接することの少ないこのドラムという楽器の魅力に迫ってみたいと思います。

執筆者:佐久間 啓輔

下の譜面はジャズ(4ビート)の基本的なパターンです。上の音符をライドシンバルで、下の音符をハイハットのオープン>クローズで刻みます。
基本パターンがシンプルなだけに、実際に演奏している内容は複雑になっていくようです。しかし魅力のあるジャズドラマーは、この基本パターンを演奏するだけで、強力なスウィング感をうみ出すのです。タイミングも重要です。このパターンをコンピュータに打ち込んで正確に演奏させることはできますが、それぞれの音の微妙なタイミングのズレが個性を作ります。要は気持ちよく聴こえることなのですが、タイミングを遅らせることで重たい演奏、タイミングを早めることでグイグイひっぱっていく演奏になります。

基本的なことはこれぐらいにして、次はいきなり最先端のワザに迫ってみたいと思います!
ドラマーの魅力には様々なものがありますが、今回はそのなかでも皆さんの一番興味のあるところ、最も速く叩けるのは誰か?!邪道な企画のようではありますが、ドラム合戦はいにしえよりの人気イベント。つるべ打ちの達人こそもてはやされてきたのです。ここではガイドの独断と偏見により「勝手にジャズドラム合戦」をシミュレートし、そのランキングを発表したいと思います。

第5位 エルビン・ジョーンズ(その他大勢)
ジャズドラマーは基本的に音数が多く、皆速いです。猛烈に速い曲を破綻することなく演奏しきるドラマーには感動してしまいます。例えばエルビン・ジョーンズがあえてテクニシャンとして紹介されることはあまりないと思うのですが、一部を除いて皆すばらしい速ワザを見せてくれます。

第4位 デイブ・ウェックル
この辺に入れておかないとファンに怒られそうです。テクニカルドラマーのシンボル的存在です。初めて見た時は、ドラムセットにたくさん線がつながってて、後ろの巨大なラックにピカピカ光る器械がたくさん入ってて、メカニカルに叩くその姿にビックリしたものでした。でもこの人のフレーズはダブルストローク(一度振り下ろしただけで2回音を出す)が中心。迫力の面で4位!

第3位 バディ・リッチ
最近の人ではありません。50年代から活躍していた人です。この人は壁にコインを貼り付けたまま落とさずに叩き続けることが出来たそうです。ジーン・クルーパの話だったかな?…とにかく速いです。映像も沢山残っているので、是非一度ご覧になってみてください。

第2位 ケンウッド・ディナード
このへんから人間のスピードを超越していると思って下さい。ケンウッド・ディナードは普段は地味に叩いているので、その恐ろしさを感じた方は多くないでしょう。圧巻は教則ビデオ!要塞のようなドラムセットにはキーボードもセッティングされており、一人でドラム、パーカッション、キーボードを演奏し歌います。速いテンポのドラムパターンを刻みながら、パーカッションのソロをする様は言葉を失います。

第1位 マービン・スミティ・スミス
文句なしにこの人です。初リーダーアルバム『Keeper Of The Drums』がお勧め。バッキングにもかかわらずほとんどドラムソロのような演奏、しかし邪魔になっているというわけではないところが、この人のスゴイところです。バディ・リッチのメモリアルコンサートの映像をご覧になった方もいらっしゃると思うのですが、そのスピードは笑っちゃうしかありません。


いかがでしたでしょうか?最後に一枚のアルバムを紹介したいと思います。ジャズドラマー、マックス・ローチの『限りなきドラム』です。このアルバムの半分はドラムソロだけの曲で、ジャズ界に一石投じているかのような存在であります。皆さんにはどのように聴こえてくるかはわかりませんが、音階のないドラムという楽器の可能性をしめしたアルバムだと思います。

 

関連リンク:海外のドラム・パーカッション奏者日本のドラム・パーカッション奏者

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