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東大で行われた初音ミクのイベント(4ページ目)

3月10日、「CGMの現在と未来:初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界」と題されたイベントが開催され、700人近い人が集まり、参加してきました。DTM視点で見たその内容を紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ピアプロ・キャラクター・ライセンスと初音ミクAppend

CGMの現在と未来:初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世
講演したクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤氏
次にクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤氏が講演を行ったのが「初音ミク as an interface」というものです。ここでのテーマとなったのは「インターフェイスと著作権法」という、なかなか難しい内容でした。

著作権、著作権法とはどんなものになっているのか、ある創作物からインスパイヤーされて作り出された二次著作物の権利は誰が有していて、それを利用するにはどんな許諾が必要となるのか……といったことが前提。ここまでは、なんとか法律でも示されているけれど、二次著作物を元に作ったもの、さらにはその先はどうなのかという点について、いろいろ説明されました。そこで登場してきたのが「N次創作」というもの。つまり三次、四次…さらにはその組み合わせがどうあり、その創作をより自由闊達に行えるようにした実証実験サイトがピアプロである、という内容でした。


CGMの現在と未来:初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世
初音ミクAppendが4月末に発売される
つまり初音ミクのキャラクタを誰かがビデオにする、そのキャラクタにネギを持たせビデオはどうなのか、そこから生まれたキャラクターやコスプレと、創作が合法的に表に出ることができるようにライセンスを定義し、ピアプロを実現しているとのことでした。そのライセンスは現在「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)」として明文化されているので、興味のある方は一度しっかり目を通してみると面白いかもしれません。

なお、最後に宣伝として広報されたのが、「初音ミクAppend」。「ミクの日」である3月9日、初音ミクユーザーには予約受付開始の案内も来ていましたが、これは「初音ミク」専用の追加音声ライブラリ・パックで、甘くささやくような[Sweet]、 大人びた声で哀愁の有る[Dark]、やわらかく優しい声の[Soft]、ハキハキと活舌の良い[Vivid]、シャープで緊張感のある声質の[Solid]という各歌声を追加できるというものです。

技術的なメドもつき、4月下旬に発売されるとのこと。すでに同社サイトにはデモの歌声が公開されているので、興味のある方は見に行ってみてはいかがでしょうか?


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その後、ドワンゴの戀塚氏、日本技芸の濱野氏の講演が、そしてその4名の講演後、後藤氏司会の元、パネルディスカッションが行われ、予定時間を大きく越えるほど、盛り上がりを見せました。ただ、CGMがテーマでありDTMという観点からするとちょっとズレてしまうので、ここでは割愛します。ニコニコ動画やピアプロは、日本独自で進化したCGMであり、YouTubeとは明らかに異なる文化を生み出していることを改めて実感したのとともに、だからこそ初音ミクが国内で広く受け入れられているということを再認識することができました。
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