まだ少ない64bit対応プラグイン
Cakewalkのお二人とのインタビュー。手前右が当ガイドの藤本 |
Kelly氏:CakewalkではSONAR 4の時代にトライアル的に64bit対応させ、SONAR 5以降は32bit版と64bit版をいっしょにパッケージ化させるということをしてきました。その点では他社よりかなり先に進んでいると自負しています。このWindows7の登場で、ようやくマーケットも動いてくるだろうと思っております。
--新BitBrigeで既存の32bitプラグインが動作するというのは心強い点ですが、そもそも64bit版のプラグインというのは、現状どのくらい普及しているのでしょう?
Ryan氏:Cakewalkのものは、すでに64bit化を実現しているので、BitBrigeを使うまでもなく、そのまま高いパフォーマンスを発揮することが可能です。そのほかでは、EastWestのプレイエンジンが64bit化しているほか、4FrontのTruePianosも64bit化しています。が、実際のところ、その程度でしょう。おそらくプラグインメーカーもこれから64bit化に本腰を入れるのではないでしょうか?
サンプラーはストリーミング方式からメモリー方式へ
BitBridgeについて熱く語ってくれたKelly氏(左)とRyan氏(右) |
Ryan氏:たとえばKONTAKTとかBFDとか、サンプラー系のプラグインは多くのメモリーを消費しますよ。そのほか、最近流行りのコンボリューションリバーブなどもかなり多くのメモリー空間とCPUパワーを喰います。だからこそ、この新しいBitBrigeのメリットが出てくるのです。
--確かにサンプラー系は、大きなサンプリングデータをメモリー上に展開するために、大きなメモリー空間が必要なんでしょうね。でも、これまで各社はディスクストリーミング方式で、うまく回避してきたように思います。
Kelly氏:ディスクストリーミングはメモリー空間を必要としない意味では、これまで大きな意味がありましたが、やはりどうしても無理が出てくるのも事実です。とくにDAWで使う場合、ほかにも多くのディスクアクセスが発生するので、ディスクストリーミングを行うことで、システム全体のパフォーマンスが大きく低下してしまいます。そのため、やはり今後ディスクストリーミング主流からメモリーを使った本来のサンプラーへと変わっていくと思いますよ。