DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

Oberheimシンセを復刻したOP-X PRO

アナログシンセの名機、OberheimのOB-Xがソフトシンセとして復刻されました。従来にない技術を取り入れ、よりアナログらしい音を再現しています。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

往年の名アナログシンセ、オーバーハイム

Oberheim
1970年代、1980年代に一世を風靡したアナログシンセメーカー、Oberheim
オーバーハイム=Oberheim Electronicsというアメリカのアナログシンセサイザメーカーをご存知でしょうか?

70年代後半から80年代にかけてProphet-5などを開発したSequencial Circuitと同様、アメリカのアナログ・シンセサイザ・メーカーとして一時代を築き上げた企業であり、もともとは1973年に創業者であるTom Oberheim氏が設立した会社です。

OB-X、OB-8、またMatrix 12といった名機を生み出してきましたが、会社経営が行き詰って、創業者Oberheim氏が去るとともに1986年にギブソン(Gibson Guitar)の傘下に入り、現在は事実上活動を停止しているメーカーです。

非常に分厚いサウンドで多くのユーザーを魅了したアナログシンセですが、そのサウンドがついにソフトシンセとして復活したのです。


画期的だった1979年リリースのOB-X

Oberheim
OB-Xの後継機種となる1983年にリリースされたOberheimのOB-8
オーバーハイムの数あるアナログシンセの中でも当時非常に大きな話題となったのが1979年にリリースされたOB-Xというシンセサイザです。

Propeht-5に対抗する形でリリースされたOB-Xは61鍵の4ボイスのポリフォニックシンセサイザで、オプション追加によって最大8ボイスまで拡張できるというものでした。当時は、まだシンセサイザはモノフォニックが中心で、ポリフォニックであること自体が珍しいころ。またアナログシンセなので各パラメータはアナログのボリュームで設定するのが常識の中、32種類のパッチまでメモリーできるという強力なものでした。

その後、OB-Xは後継となるOB-Xa、OB-8へと引き継がれ、多くのアーティストに利用されていったのです。
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