DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

プロ並マスタリングを実現するフリーウェア(3ページ目)

DTMで音楽を制作したけれど、プロの作ったCDと比較すると、何か物足りない……。その理由はズバリ、音圧です。ここではプロ御用達ツールのクローンソフトで素人でも簡単に扱えるW1 Limiterを紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

素人には難しいマスタリングの音圧調整

George Yohng's W1 Limiter VST
コンプレッサはスレッショルドやレシオといった感覚的に分かりにくいパラメータも多く、素人にはなかなか扱いにくい
しかし、このコンプレッサの操作というのがなかなか難しいのです。

一般にコンプレッサには、どのくらいより大きい音を潰すかを決めるスレッショルド、それをどのくらいの比率で潰すかを決めるレシオというパラメータがあります。さらに、スレッショルドを超えた音が入力されてから圧縮を開始するまでの時間を設定するアタックタイム、入力音がスレッショルドレベルを下回ってから圧縮を終了するまでの時間を設定するリリースタイムといったパラメータもあり、これらをどう設定するかによって完成する音も大きく変わってくるのです。

ディストーションやリバーブなど、明らかに音質や音の鳴り方が変化するエフェクトと異なり、コンプレッサは音量にだけ影響するエフェクトであるだけに、素人には非常に扱いが難しいのが実情です。


実は簡単に使えるプロ御用達ツールWAVES L1

George Yohng's W1 Limiter VST
プロ御用達のマスタリング用コンプレッサ、WAVESのL1 Ultramaximizer
もちろんマスタリング用のコンプレッサはプロにとっても扱いが難しいわけですが、そんな中、多くのプロが飛びついたツールがあります。

それがイスラエルのWAVES社が開発したL1 Ultramaximizerというコンプレッサです。これはプラグインタイプのコンプレッサなのですが、ピークリミットを先読みすると同時に優れた再クオンタイズを行うことで、従来のコンプレッサでは不可能ともいえる音圧と音質を実現してくれるのです。

ただ、L1があまりにも簡単であったがゆえに、音圧競争が激化し、迫力はあるけど、メリハリのない音楽ばかりになった、などとも言われています。
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