初音ミクの左腕に埋め込まれたDX7
初音ミクの左腕にある、このボタンの列は? |
そう知っている人なら、一目で分かると思いますが、これは1983年にYAMAHAから発売されたDX7というシンセサイザのパネル部分をイメージしたものです。ホンモノのDX7そのままかというと、そうではないものの、やはり誰が見てもDX7というデザインになっています。
ご存知のとおり、初音ミクのエンジンであるVocaloid2はYAMAHAが開発したソフトウェア。その意味では同じYAMAHAの名機、DX7がイメージキャラクターの左腕に埋め込まれているというのは面白いデザインだと思いますが、だからといってそれ以上の関連性はなさそうです。
そもそもDX7とは?
DX7は1983年にYAMAHAから発売されたシンセサイザ |
そこで、このDX7についてまずは簡単に紹介しておきましょう。
DX7は当時24万8000円という価格で発売されたシンセサイザで、まだアナログ主流だった時代にデジタルシンセとして斬新に登場したキーボードでした。現在デジタルシンセというと、一般的にはサンプリングした音を使うPCM音源を指しますが、DX7はそれとはまったくことなるFM音源という方式のシンセサイザでした。
エレピやブラスのサウンドなどDX7ならではのきらびやかなサウンドは多くのミュージシャンに受け入れられ、世界中で大ヒットとなり、80年代音楽を代表するサウンドとなりました。いまでも当時の音楽を聴くと、いかにもDX7のサウンドというものが数多く見つかるはずです。
またアナログシンセの多くがベロシティーに対応していなかった中、打鍵の強さによって音量や音色が変化するDX7は斬新であり、これも多くのミュージシャンに受け入れられた点だったように思います。