DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

ポータブル・デジタルレコーダーBest5

音楽をレコーディングするためのポータブル・デジタルレコーダーが最近大ブームで、製品も数多く登場しました。それぞれどう違うか、どれがいいか独断と偏見でBest5を選びました。週刊アスキーとの連動企画です。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ICレコーダーとはまったく違う音楽用のレコーダー


VoiceTrek V-40
ガイドもインタビュー用に愛用しているVoiceTrek、でも音楽用途にはまったく使えない
iPodをはじめとするポータブル・デジタルプレイヤーとは逆に、音楽を録音するためのデバイスとしてポータブル・デジタルレコーダーという小型の録音機材が最近とても売れています。

「そんな録音機材、だいぶ前からあるじゃないか」と思う方もいるでしょう。確かに以前からOLYMPUSのVoice-Trekシリーズなど、小型で高性能なICレコーダーは存在していました。でも使ったことのある方ならご存知のとおり、これらICレコーダーは会話や会議の録音には非常に向いているものの、音楽のレコーディング用としては、まったく使えないのです。

実際、私自身もインタビューの録音にはVoice-Trekを愛用しているものの、音楽用には使いません。もちろん試したことはありますが、音質的にいって使い物にならなかったのです。


RolandのR-1で始まったポータブル・デジタルレコーダー


Roland R-1
ポータブル・デジタルレコーダーの歴史はRolandのR-1から始まった
そもそも、ここでいう音楽用途というのは、ピアノやギターなど自分のプレイをちょっと録音してみたり、練習スタジオなどでバンドメンバーでの演奏を録音してみたり、ピアノの発表会を録音したり、場合によってはライブを録音してみたり(もちろん、プロのライブの隠し録りは違反ですよ)……、といったものです。

従来から音楽録音用の機材としては、録音機能搭載のポータブルMDというものが存在していました。しかしそもそも数は少ないし、使い勝手が悪かったり、マイク性能がよくなかったり、音量が自動調整されてしまうなど、問題点も多くありました。

そんな中、Rolandが2004年にR-1というデジタルレコーダーを発表し、大きな話題となったのです。最近のポータブル・デジタルレコーダーと比較すると結構大きい機材でしたが、まさに音楽用に登場したR-1は高性能なステレオマイクを内蔵するとともに、2chの録音に特化し、非圧縮の24bit/44.1kHzとMP3での録音が可能というものだったのです。もちろん録音したデータは後でPCに転送して、加工することも可能など、単純ながらとても便利な製品だったのです。

これがキッカケとなり、その後、このポータブル・デジタルレコーダーというジャンルに多くのメーカーが製品を出し、ここ1、2年でひとつのジャンルとして製品群が確立されたのです。

ただ、いろいろな製品があり、それぞれ特徴もかなり異なるため、どう選べばいいのか難しいところ。そこで、私の独断と偏見でBest5を選んでみましたのでさっそく紹介していきましょう。
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