DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

LPの音ってCDよりもいいってホント?(3ページ目)

押入れに山ほど仕舞い込んであるLPレコード。CD化されていないプレミアム価値がある一方、クラシックではCDよりも音がいいという可能性を秘めているのをご存知ですか?再度その宝物を発掘してみませんか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

CDとDVD、16ビットと24ビットの差


話がやや専門的になりますが、CDのダイナミックレンジは96dB(デジベル)という値になります。これは、CDの規格である量子化ビット数が16ビットであるということから、導き出される値です。96dBは一般的に考えれば大きいダイナミックレンジであり、CDが開発された当時は、十分過ぎるほどのレンジだといわれていました。

しかし、このCDも規格化されたのは1982年ともう四半世紀も昔のこと。現在のデジタル技術からすれば初歩的な段階ともいえるものだったのです。現在の録音機材はもちろん、当時の録音機材でも、96dB以上のダイナミックレンジを持った録音は可能である一方、人間の耳はそれを遥かに越える音を聞き分けることが可能なのです。

その96dBを超えるダイナミックレンジを超えた規格のひとつがDVDです。DVDの場合、最大で24ビットの量子化ビット数を実現でき、これはダイナミックレンジは理論的に144dBにまで広がります。人間の耳が認識できるダイナミックレンジは120dBといわれていますが、144dBまでくれば、CDよりも遥かに小さい音まで記録でき、もちろんLPでも実現できないずっと小さい音まで収録できます。

24bitでデジタル化することで、LP本来の良さを残そう


DVD-Audio
LPレコードの音をCDよりもダイナミックレンジが広いDVDへ変換することで、古いレコードの音を気軽にいい音でたのしめるようになる
ここまでの話である程度お分かりいただけたと思いますが、古いLPも、キレイにした上で、再生させて24ビット録音することによって、レコード本来の音を取り戻すとともに、劣化を食い止めることができます。

また、その後のデジタル処理を施すことにより、ノイズを軽減させて、よりよい音に仕立て上げることも可能になるのです。でも、そんな専門的な録音、自分には到底できるわけがない思い込んでいる人はいませんか?

これを実現するためには、数万円程度の投資は必要になりますが、決して難しいことではありません。

次回は、どんな機材を購入すればいいのか、それをどのように使えばいいのかなどを紹介するとともに、録音した素材をDVDオーディオという形に仕立て上げる方法を解説を予定しています。ご期待ください。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで DTM 関連の商品をチェック!楽天市場で DTM・デジタルレコーディングをチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます