CDとDVD、16ビットと24ビットの差
話がやや専門的になりますが、CDのダイナミックレンジは96dB(デジベル)という値になります。これは、CDの規格である量子化ビット数が16ビットであるということから、導き出される値です。96dBは一般的に考えれば大きいダイナミックレンジであり、CDが開発された当時は、十分過ぎるほどのレンジだといわれていました。
しかし、このCDも規格化されたのは1982年ともう四半世紀も昔のこと。現在のデジタル技術からすれば初歩的な段階ともいえるものだったのです。現在の録音機材はもちろん、当時の録音機材でも、96dB以上のダイナミックレンジを持った録音は可能である一方、人間の耳はそれを遥かに越える音を聞き分けることが可能なのです。
その96dBを超えるダイナミックレンジを超えた規格のひとつがDVDです。DVDの場合、最大で24ビットの量子化ビット数を実現でき、これはダイナミックレンジは理論的に144dBにまで広がります。人間の耳が認識できるダイナミックレンジは120dBといわれていますが、144dBまでくれば、CDよりも遥かに小さい音まで記録でき、もちろんLPでも実現できないずっと小さい音まで収録できます。
24bitでデジタル化することで、LP本来の良さを残そう
LPレコードの音をCDよりもダイナミックレンジが広いDVDへ変換することで、古いレコードの音を気軽にいい音でたのしめるようになる |
また、その後のデジタル処理を施すことにより、ノイズを軽減させて、よりよい音に仕立て上げることも可能になるのです。でも、そんな専門的な録音、自分には到底できるわけがない思い込んでいる人はいませんか?
これを実現するためには、数万円程度の投資は必要になりますが、決して難しいことではありません。
次回は、どんな機材を購入すればいいのか、それをどのように使えばいいのかなどを紹介するとともに、録音した素材をDVDオーディオという形に仕立て上げる方法を解説を予定しています。ご期待ください。