DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

LPの音ってCDよりもいいってホント?(2ページ目)

押入れに山ほど仕舞い込んであるLPレコード。CD化されていないプレミアム価値がある一方、クラシックではCDよりも音がいいという可能性を秘めているのをご存知ですか?再度その宝物を発掘してみませんか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

LPの音のほうがCDの音よりいいって本当?


ところで、とくにクラシックファンの多くの人が「LPの音のほうが、CDよりもいい音だ」と言っているのを知っていますか?でもこれは、「昔はよかった」という思い込みだけではなさそうなんです。

確かにプチプチした雑音やサーっというノイズなどがあったレコードの音は、雑音とは無縁のCDと比較すると高音質とはいえません。それでも、「LPの音がいい」と言い張るだけの根拠があるんです。

そう、実は同じ音源がLPとCDであった場合、LPでは聴こえるのに、CDでは聴こえない音があるのです。その典型ともいえるのが、バイオリンなどの弦楽器で非常に緩やかに入ってくる曲の冒頭部分。サァーっと入ってくるクレッシェンドの効いた音がLPで聴こえるのにCDでは聴こえないという例が少なくないのです。

最大音量と最小音量の差を意味するダイナミックレンジ


その理由を示すキーワードが
   ダイナミックレンジ
波形とダイナミックレンジ
大きな音と小さな音をどのレベルまで共存させられるかを意味するのがダイナミックレンジです。音の大きさを波形で表した際、どれだけ小さい波を記録できるかを意味します
というものです。ダイナミックレンジというのは簡単にいえば最大音量と最小音量の差というか幅を意味する言葉です。

このダイナミックレンジは録音する機材やメディアの規格などによって決まっており、それが音の善し悪しの一部を決定付けるのです。つまり、最大音量が同じだとしたとき、記録可能な最小音量のレベルがどのくらいなのかを意味するものなのです。

先ほどのバイオリンで始まる曲を例に考えると、ダイナミックレンジが狭いと、曲の冒頭の小さい音量のところが録音できず、聴くことができないのです。デジタル機器の場合、その仕様によってダイナミックレンジは厳密に決まるのに対し、アナログのレコードの場合、機器の調整などによって変化するが、いい状態で録音されたレコードを、いい状態で再生させればCDよりもダイナミックレンジが広がる可能性があるのです。
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