DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

非常にマニアックなソフトシンセ、Z3TA+(3ページ目)

Cakewalkからユニークなソフトシンセ、Z3TA+(ゼータ)が発売されました。見た目はシンプルながら、オシレータを自在に組み合わせられるなど非常にマニアックな構造になっています。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

自由自在なモジュレーション・マトリックス


モジュレーション・マトリックス
自由度が高いモジュレーション・マトリックスでは16個までの設定が可能
Z3TA+のもうひとつ大きな特徴は、モジュレーションの掛け方があまりにも自由であるということです。モジュレーションというと、キーボード左側のホイールを動かすとビブラートがかかったり、トレモロがかかったり……ということをイメージすると思いますが、Z3TA+でいうモジュレーションはもっと幅広いのです。


X-Yパッド
Z3TA+に搭載されているX-Yパッド。マウスで2つのパラメータを同時に動かすことができる
たとえば、8基用意されたエンベロープジェネレータでオシレータをモジュレーションしたり、キーのベロシティーでフィルタのレゾナンスをモジュレーションしたり……。モジュレーションのソースとデスティネーションを何にでも設定可能なのです。しかも、レンジに下限や上限を設定したり、その強さを設定するコントローラとして、ホイールのほかベロシティー、ブレスコントローラ、X-Yパッド、さらには音声入力といろいろなものを設定できます。たとえば音声入力を用いてフィルタをコントロールすれば、ボコーダにしてしまうことも可能になります。

しかも、このモジュレーション・マトリックスではこのような自由度の高い設定を最大同時に16個まで設定できるので、どうすればどうなるのか、想像するのが困難なほどです。


内蔵エフェクトやアルペジエータも装備


エフェクト
Z3TA+には強力なエフェクト群も内蔵されている
さらにZ3TA+は2基のステレオ・フィルタ、10種のフィルタ・モードを備えるほか、4基のグローバルLFOと2基のボイスLFOを備えています。

またスタンドアロンで利用できることもあって、内蔵エフェクトも備えているのです。具体的にはディストーション、コンプレッサ、ディレイ、リバーブ、EQ、モジュレーションなど……。このうちディストーションひとつをとっても、Soft drive、Hard drive、Valve Amp、Smart Shaper、Heavy Metalといろいろなモードがあり、Bit Decimator(Lo-Fi)機能まで備えているので、エフェクトを使ったいろいろな音作りができそうです。

そのほか、アルペジエータも持っているので、キーを押した途端に、あるメロディーが流れるといった細工も可能。とにかくいろいろな機能があって、いろいろな使い方ができるのです。


以上、Cakewalk InstrumentsシリーズのZ3TA+についてごく簡単に紹介してみましたがいかがだったでしょうか?シンセサイザについて詳しく知らない方には、さっぱり訳が分からない内容だったかもしれません。でも、多少構造を知っている人だと、そこまでできてしまうの?と驚かれるのではないでしょうか?見た目がシンプルなだけに、目立たないソフトではありますが、これまでのシンセサイザに飽きを感じていたり、限界を感じているのであれば、一度試してみてはいかがでしょうか?
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