DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

コンボリューション・リバーブって何?(3ページ目)

SONARやLogic、GigaStudioなどにコンボリューション・リバーブというリバーブが搭載されています。これは従来のリバーブとはまったく異なる方式のものなのですが、どんな仕組みになっているのでしょうか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ドライとウェットの調整も重要


たとえばコンボリューション・リバーブをアンプシミュレータとして利用した場合、普通のリバーブとは異なり、その効果は派手ではないものの、かなりいい感じの音が出ます。ここでは、音の響きに留まらず、EQを使った音質の変化などもうまく表現されます。

ギターアンプのインパルス・レスポンスを波形編集ソフトでみたところ
もちろん、どのようなエフェクトとして利用するかによって、使い方にも違いが出てきます。つまり、リバーブの場合は直接音(ドライ音)とエフェクト音(ウェット音)を混ぜることで実現させますが、アンプシミュレーションの場合は、ドライ音は基本的には不要で、ウェット音だけでいいわけです。

試しに、ギターアンプを実現させるインパルス・レスポンスのデータを波形編集ソフトで見てみると、リバーブとはずいぶん違った感じの波形になっていることが分かるでしょう。


フリーウェアのコンボリューション・リバーブも登場


コンボリューション・リバーブがどんなものなのか、ある程度は分かったけど、手元にコンボリューション・リバーブがないので、試せない、という人も多いと思います。

Convolver
フリーウェアのVSTプラグイン型コンボリューション・リバーブ、TeragonAudioのConvolver
そんなときに利用できるのが、フリーウェアです。さすがにかなりの計算が必要なソフトであるだけに、数は少ないのが実情ですが、先日、TeragonAudioというところからConvolverというフリーウェアがリリースされましました。Windows版、Mac版、それぞれのVSTプラグインであり、まだβ版であることもあって、どのDAWでもうまく動くわけではないのですが、一度使ってみてもいいのではないでしょうか?

このConvolverで扱えるインパルス・レスポンスのデータ形式はWAV、AIFF、AU、RAW、PAF、IFF/SVX、SF、VOC、W64、MAT4/MAT5、PVF、XI、HTK、CAFと非常に豊富。ただし、インパルス・レスポンス自体は添付されていないので、別途フリーウェアのインパルス・レスポンスを見つけ出して試してみてください。
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