DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

コンボリューション・リバーブって何?(2ページ目)

SONARやLogic、GigaStudioなどにコンボリューション・リバーブというリバーブが搭載されています。これは従来のリバーブとはまったく異なる方式のものなのですが、どんな仕組みになっているのでしょうか?

藤本 健

藤本 健

DTM・デジタルレコーディング ガイド

DTM(デスクトップ・ミュージック)という言葉が生まれてから20年以上が経ちました。それ以前からずっとこの分野を追ってきましたが、技術の進歩に伴いPCでできる音楽制作の幅はどんどん広がってきています。その長い経験と技術知識を元に、DTM・デジタルレコーディングのノウハウや情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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インパルス・レスポンスって何?


では、そのインパルス・レスポンス=Impulse Responseとは何でしょう?これは、さまざまな空間における反響音を捕らえた音声ファイルなのです。もちろん、音響音なら何でもいいというわけではなく、ある特定の意味を持っています。それは、ある瞬間の“パン”という音に対し、どのような応答になるかを捕らえた音を意味します。

試しに、各コンボリューション・リバーブに同梱されているインパルス・レスポンスのサンプルデータを再生してみてください。もちろん、その空間によって音はいろいろと異なりますが、いずれも「パーン」といった音になっていると思います。イメージ的にはステージの中心で手を「パン」と叩いた後にこだまとなって跳ね返ってくる音がインパルス・レスポンスというわけです。

インパルス・レスポンス
インパルス・レスポンスとはある空間において瞬間的に出した音に対する反響音を捕らえたもの
インパルス・レスポンスの波形を見ても、徐々に減衰していく音になっているのが確認できるでしょう。また、この音を聞いてみるとわかるとおり、その音質もいろいろ。比較的シャキっとした音だったり、ボンヤリした低い音だったり……。実は、こうした周波数特性が掛け合わされて、コンボリューション・リバーブのエフェクト結果になるようにできているのです。


実はリバーブ以外にも利用できる!?


すでに気づいた方もいるかもしれませんが、実はコンボリューション・リバーブはリバーブとしてだけでなく、さまざまなエフェクトとして機能してくれるのです。たとえばギターアンプやベースアンプなどの、アンプシミュレータとしても強力な力を発揮してくれます。

実際、SONAR5 Producer Editionに入っているPerfectSpaceのインパルス・レスポンスのライブラリにはまさにギターアンプやベースアンプのデータがいろいろと収録されているのです。
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