DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

今はやりの真空管アンプ・シミュレータ(2ページ目)

最近、ソフト、ハードを限らずいろいろと登場して身近になってきているのが真空管アンプ・シミュレータです。「今さら真空管?」なんて思う方もいると思いますが、これでどんなことができるか紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

オーディオ用とは異なるギター用真空管アンプ


こうしたオーディオ用の真空管アンプが、マニアの間で普及している一方、楽器の世界においても真空管アンプは存在しています。とくに、ギター用のアンプは、現在でも真空管アンプが最高級なものとして珍重されているのです。

Fenderツイン・リバーブ
ギターアンプとしてロングセラーを誇るFENDER USA 65ツインリバーブ
たとえば著名なところでいえば、Fender社のツイン・リバーブ。これは1960年代に登場したギターアンプであり、ギター用アンプの代表ともいえる機材ですが、マイナーチェンジを繰り返しつつ、現在でも生産されています。

オーディオ用のアンプとギター用のアンプの最大の違いともいえるのは、その目的でしょう。オーディオアンプが本来の音を忠実に出すことを目的としているのに対し、ギターアンプはエフェクト的な意味合いももっており、ギターとセットでひとつの音色を作り上げることが目的となっています。またオーディオアンプは本当にアンプだけであるのに対し、ギターアンプはスピーカーもセットになっているのも大きな違いです。

ギターアンプにはBASS、TREBLEのほかにもコンプレッサやリバーブなどのパラメータが用意されており、これらを使うことで、出てくる音は大きく変わります。そして、その音そのものに真空管であることの特性というのが出てくるのです。


真空管アンプ特有の歪みサウンド


実際、ツイン・リバーブなどのギター用真空管アンプにギターを直接接続して鳴らすと、ちょっと違う音なのがわかると思います。暖かい音というか、何というか……。派手ではないけれど、気持ちのいいサウンドです。

またボリュームやコンプレッサなどを使っていると違いを感じるのが歪みについてです。普通のアンプだと、ある程度まで音量を上げると、完全に歪んでしまいます。それが一種のディストーションであったりもするわけですが、真空管アンプだと、その歪みが比較的柔らかなのです。

実はこれは真空管の特性でもあり、歪み出すのは早いけれど、限界を超えてもある程度許容量を持っているため、歪み具合いが弱いのです。こうした音が多くの人に評価されていて、今でも真空管アンプが重要視されているのです。
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