【読者プレゼント企画】完全DTM讀本　定義が曖昧になった現在のDTM(2ページ目)

実際に使える入門用製品が存在しない!?

以前、DTMの入門製品といえばRolandのミュージ郎やYAMAHAのHELLO!MUSIC!だった

さらに、現状を分かりにくくしているのが入門用といえる製品が存在していないことです。以前のDTM＝MIDIの時代はRolandのミュージ郎シリーズや、YAMAHAのHELLO!MUSIC!シリーズがまさに入門用であり、そこから入ればとりあえず分かるような道筋ができていました。でも、現時点において、そうした入門用の製品というのがあまり見当たりません。


確かに、各社とも入門用という位置づけで出している製品は存在しているのですが、それはメインソフトの機能制限版を安い価格で販売しているに過ぎず、初心者にとって分かりやすいとは決していえない製品ばかりなのです。また、方向性が多様化しているだけに、すべてに対する入門用製品というものはありえないし、各ジャンルのフリーウェアを入門用と位置づけるのも乱暴な話です。

その結果、現状のDTMは初めてのユーザーにとって非常に敷居の高いものとなってしまっているのです。ただ反対に、音楽制作にはプロっぽいカッコよさが求められているのも事実です。仮に初心者用に製品を作っても、音楽制作を目指す人には、チャチなものと映ってしまい、結果として売れないというジレンマもあるのです。そのため、どのメーカーも、初心者用を出すことに躊躇しているし、広告の表現はよりプロ向けのもので難解となっているため、初めてユーザーにはさっぱり分からないものになってしまっているのです。

そんな新世代DTMを読み解く本を発売

リットーミュージックから発売された、現在のDTMの入門書、コンプリートDTMガイド・ブック～完全DTM讀本 ISBN4-8456-1186-4 定価1,995円

そんな、込み入った状況に陥った新世代DTMを、初めての人や、昔DTMはやっていたけれど、今の状況がさっぱり分からないという人のために、本サイトでも力を入れていきたいと思っています。実際、テクニカル用語徹底解説といった記事は、少しでもみなさんの理解の助けになればと作っているわけです。


が、それを体系的に解説し、書籍化したものを先日、リットーミュージックから出版しました。それが、
　　　コンプリートDTMガイドブック
　　　完全DTM讀本
というものです。

一時DTM入門書というのは、いろいろな出版社から数多く発売されました。だいぶ以前に私も何冊か書いた記憶があるのですが、気が付くと最近あまり出ていないのです。また、人に聞かれたときに、現状のDTMをうまく説明するのにいい本がほとんど見当たらなかったので、自分で書いてみたというわけです（ただ、マーケットの関係上今回の本はWindowsに絞り、Macについては見送ってしまいました、ごめんなさい）。