DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

【シリーズ テクニカル用語徹底解説】その7 レイテンシー設定の最適値(2ページ目)

レイテンシーを1msec以下の値まで追い求める人が増えていますが、そもそもどの程度が最適値なのでしょうか?レイテンシーとバッファの関係やスピーカーとの距離も考えながら、最適値について検証してみます。

藤本 健

藤本 健

DTM・デジタルレコーディング ガイド

DTM(デスクトップ・ミュージック)という言葉が生まれてから20年以上が経ちました。それ以前からずっとこの分野を追ってきましたが、技術の進歩に伴いPCでできる音楽制作の幅はどんどん広がってきています。その長い経験と技術知識を元に、DTM・デジタルレコーディングのノウハウや情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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レイテンシーとバッファの関係


このことが、レイテンシーを発生させる原因です。つまり、もしCPU側が送ったデータが一旦バッファに貯まってから音になるので、そのタイムラグがレイテンシーとなるわけです。

ということは、バッファのサイズを小さくすれば、その分、音の遅れ、つまりレイテンシーが小さくなるのです。

オーディオインターフェイスのドライバ設定画面実際に設定したことのある方ならご存知のとおり、ドライバの設定でバッファサイズを小さくすればレイテンシーが小さくなります。もっともこのレイテンシーは単にハードウェアだけでなく、ドライバのできにもよりけりです。最近各メーカーともこのドライバ開発に力を入れており、簡単な設定でより高いパフォーマンスを発揮できるようになってきているのです。


音の途切れはバッファサイズが小さすぎるのが原因


ただし、レイテンシーを小さくしすぎると、問題が発生することがあります。そう、バッファサイズが小さくなるため、頻繁にCPUから音のデータをバッファへ転送する必要がでてきて、その転送が追いつかなくなると、音が途切れてしまうのです。結果として、音にプチプチというノイズが入るのです。

もっとも音が途切れるかどうかは、CPUの性能によるし、CPU負荷によっても異なってきます。したがって、あるマシンでは問題なく動作したバッファサイズでも、別のマシンではまともに動かないことがあります。また、同じマシンでも同時に複数のソフトを起動させていると、音切れが起こる可能性があるのです。
ドライバの設定画面ではバッファサイズの設定があり、このサイズを小さくするとレイテンシーが小さくなる
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