DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

LANでVSTを負荷分散できる画期的システム登場! FX Teleport(4ページ目)

VSTのエフェクトやソフトシンセをLANを使って複数のマシンに負荷分散できるという画期的システムが登場しました。SteinbergのVST System Linkとは別アプローチのFX Teleportについて紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■レイテンシーは4msec


FX Teleport試しにVSTインストゥルメントを使って、MIDIキーボードからリアルタイムに演奏してみたところ、何ら問題なく普通に使えてしまいます。では、その気になるレイテンシーはどうでしょうか?確かにまったく気にならないレベルになっており、1台のマシンで動作させるのと何ら違いを感じません。表示上確認をすると192Sampleとなっています。このときのCubase SEは48kHzのサンプリングレートで動かしていたため、これは約4msecに相当するもの。この値をどう評価するかは人それぞれでしょうが、基本的にはまったく問題ないレベルだと思います。オーディオインターフェイス側のバッファの設定をいじってみると、それに伴って、FX Teleport側の設定も変わるようで、その結果は設定状況にもよりけりですが、基本的には、オーディオインターフェイスのレイテンシーの半分が、FX Teleport側のレイテンシーとなるようでした。

VST System Linkを使ったことのある方ならご存知の通り、これはオーディオのルーティングが結構面倒で、何がどうつながっているのか絵でも書きながらでないと、なかなか設定できませんが、FX Teleportならそうした問題に悩まされずに簡単に使うことができました。

以上、ごく簡単にFX Teleportについて見てきましたがいかがだったでしょうか?私、個人的には、かなり感激できたシステムでした。実際、VST System Linkよりも使い勝手のいいシステムといっていいと思います。残念ながら、現在のところ対応しているのはWindowsのみですが、今後Macにも対応してくれると、Windowsのみにしか存在しないプラグインをMacで利用したり、その逆も可能になるものと思われます。この辺を含め、今後のFX Teleportの動きには注目していきたいと思います。
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