VSTのエフェクトやソフトシンセをLANを使って複数のマシンに負荷分散できるという画期的システムが登場しました。SteinbergのVST System Linkとは別アプローチのFX Teleportについて紹介しましょう。

■分散処理の必要性

VSTプラグインのエフェクトやソフトシンセの規格の代表的存在はなんといってもVSTでしょう。VSTの本家であるSteinbergのCubaseシリーズやその上位のNUENDOはもちろん、CakewalkのSONAR(VSTアダプタを利用する形となるが)、InternetのSingerSongWriterなど多くのDAWソフトがこのVSTに対応しています。


また、それに対応するプラグインのソフトも数多く存在しており、メーカー製の最高級ソフトがいろいろある一方で、シェアウェアやフリーウェアなども数多く登場しており、その数は数百から千に近い数になっているのではないでしょうか?

実際に使ったことのある方ならご存知のとおり、こうしたプラグインのシステムというのは非常に便利で、簡単にインストールして追加することができ、本当に簡単に使うことができます。ただ、このように便利なプラグインもあまり数多く立ち上げたり、大きなマシンパワーがかかるプラグインの場合、1つ立ち上げるだけでもシステム全体の負荷が大きくなってしまいます。

もちろん、昨今のCPUパワーの向上により、こうした問題はクリアしつつありますが、やはりそれでもCPUパワー不足を感じることは少なくないでしょう。またちょっと古いマシンを使っている人であれば、それはなおさらのことだと思います。

そこで登場してくる考えが負荷分散というものです。つまり、複数のマシンを接続することで、各マシンの負荷を下げようという考え方です。もっとも単純な方法としては、MIDIケーブルとオーディオケーブルを利用して接続するというもの。たとえば、1台のマシンでCubase SXを、もう1台のマシンでスタンドアロンで動作するソフトシンセであるPro-53を起動させるとしましょう。そこで、Cubase SX側でMIDIデータを作成し、演奏させた結果のMIDI信号をMIDIケーブルを通じてPro-53へ送り、そこで発生した音をオーディオケーブルでCubase SX側のマシンの入力に戻してやれば、負荷を分散できたことになります。

ただ、やはり接続が面倒なため、こうした使い方をする人は少ないでしょうし、MIDIやオーディオ信号を送る際にレイテンシー(音の遅れ)が生じ、結果的にあまり使い物にならないというケースが多くなりそうです。