DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

【デジタルレコーディングの基礎知識】その4 デジタルデータを完全コピーする(2ページ目)

デジタル端子を使って外部機器のデジタルデータを完全な形でコピーする方法って、知らない人も結構いるようです。当たり前そうに見えて当たり前でないこの方法について紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■2種類あるデジタル端子でのオーディオレコーディング

まず、前者の「音質劣化なくやりとりできる」というのは、この記事のテーマである「デジタルデータを完全な形でコピーする」ことに他なりません。たとえば、パソコンの外部に置かれたCDプレイヤーから取り込んだ場合、1ビットたりとも違わない完全に同じデータをパソコン上に再現するという意味になります。

もっとも単純にCDからデータを吸い上げるだけであれば、わざわざS/PDIFを使わずにも、CD-ROMドライブから直接データを吸い上げるリッピングという手段があるので、あまりこれを求める人はいないかもしれません。とはいえ、最近のコピープロテクトのかかったCCCD(コピーコントロールCD)の場合、基本的にリッピングができないようになっているから、かえってS/PDIF取り込みのニーズは高まっているのかもしれませんが…。

一方、後者の「デジタル機器間でノイズがまったく混入せずにデータの転送ができる」というのは、アナログでのダビングと違い、外部の音が漏れて入ったり、ザーとかサッーというノイズが混入しないということであって、まったく同じデータであるとは言っていないわけです。

「えっ、そんなの初耳」という人もいると思いますが、実際その2種類が存在し、パソコン用のサウンドカード、オーディオインターフェイスでも、前者タイプ、後者タイプ、また中には両方可能なタイプといろいろ存在するのです。

もっとも、多くの人が今の説明を読むと、「音質劣化なくやりとりできる」ほうがいいじゃないかと感じるかもしれませんが、必ずしもそう言えないという状況もあります。使い勝手という面では、圧倒的に後者の「デジタル機器間でノイズがまったく混入せずにデータの転送ができる」がいいからです。
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