一方、Furture MusicはDTM専門誌というわけではないのですが、ハイエンドのDTMに関する話題や、アーティスト情報、シンセサイザ情報などが掲載された雑誌です。製品レビューでは独自評価によって点数をつけているのが面白いところ。スラングがかなり使われていて、キレイな言葉のComputer Musicに比較すると読みにくい英語ではありますが、内容的にはとても充実しています。また昔から巻末のほうにFurture Music BUYING AREAというデータページがあって、ここで幅広い範囲での現行商品の一覧があり、価格やFuture Musicでつけた点数などが掲載されています。
この2誌に共通していえるのは、CD-ROMが付いているということ。まあ日本の雑誌でもCD-ROMが付いているものは珍しくないというか、パソコン誌では当たり前となっていますが、10年以上の歴史を持つFuture Musicでは創刊当初から付録としてついていたのが大きなウリとなっていました。ただ日本の雑誌とちょっと違うのは、プラスティックのCDジャケットに入った形で販売されているということ。そのため、本誌から完全に切り離されていてページは開きやすいし、そのCD-ROMも見た感じ上、結構高級そうなイメージを持ちます。
しかし、すごいのは見た目だけではありません。この中身そのものがかなりの内容となっているのです。日本の雑誌の付録というと、どうしても体験版などが中心のあまり価値のないものと思いがちですが、このCD-ROMは非常に濃い中身になっているのです。Furete Music、Computer Musicともによくやっているのがループ集。ACIDやSONARなどで利用できる形式のデータが300とか、500といった数の素材が収録されています。ほぼ毎号、数百MBの容量を使って、異なる素材を入れているので、これだけでもかなりの価値があるでしょう。
一方、さらにすごいのはオリジナルの強力なプラグインソフトシンセを収録しているということ。とくにComputer Musicにおいてはここ1年ちょっとの間にその数を少しずつ増やしてきており、現在第4弾までがリリースされました。具体的にいうと、その第1弾がCM-101というアナログソフトシンセ。シンプルながらポリフォニックのソフトシンセで、かなり太い音が出せます。