DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

【技術レポート最前線】Mac OS Xでのオーディオ環境 CoreAudioとASIOの関係(2ページ目)

Mac OS Xで音楽をするための環境がようやく整ってきました。しかし、よく分からないのがCoreAudioとASIOの関係です。独Steinbergほか各社に現状と今後について聞いてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■CoreMIDI、CoreAudio、AudioUnitとは

CoreMIDI、CoreAudio、AudioUnitのそれぞれについてごく簡単に紹介しておきましょう。まず、CoreMIDIはOS X用のMIDIドライバのプラットフォームです。OS 9まではMIDIを用いるためにはOMSかFreeMIDIというものが必要でした。これはMac OS自身に搭載されている機能ではなかったために別途インストールする必要があったのです。しかし、とくにOMSの場合、開発したOpcode Systemsが98年にGibsonに買収された結果、実質的に会社が機能しなくなり、OMSの開発もストップしてしまいました。そのため、当然OS 9用にチューニングされているわけではなく、不具合をおこすひとつの大きな要因となっていました。しかし、OS XではまさにOMSやFreeMIDIとほぼ同じ機能をOS自体が搭載し、ほぼ自動的にドライバの組み込みができるようになったのとともに、細かな設定もグラフィカルな画面で簡単にできるようになったのです。


一方、オーディオについてはCoreAudioという仕組みが搭載されました。それまではOS自体が持ってきた仕組みとしてはSound Managerが、またサードベンダーが搭載した仕組みとしてはSteinbergのASIOやEmagicのEASIといったものがありました。これらを置き換えるものがCoreAudioなのです。Sound ManagerではDAW系のソフトではあまり使い物にならなかったため、とくにASIOが広く普及してきたのですが、このASIOとほぼ同程度の機能を搭載したのがCoreAudioなのです。


さらにAudio UnitのほうはプラグインプラットフォームであるVSTの置き換えともいえるものです。つまり、オーディオを司るエンジン部分であり、エフェクトやソフトシンセのプラグインをサポートするものなのです。すでにLogicはこのAudio Unitを全面的にサポートしているし、Digital Performerもまもなくサポートすることを明言しています。しかし、Cubase SXではVST対応となっているほか、PeakなどいくつものソフトがVSTに対応しており、何が標準になるのか、まだ流動的な面はありそうです。現在FxpansionがVST to AudioUnit Adapterというコンバータをリリースするなど、少しずつ環境は整ってきています。
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