Daichiさんによると、このSynth1はClavia社のバーチャルアナログシンセ、Nord Lead2を手本に開発したと。Nord Lead2は赤がトレードマークのシンセサイザで、プロユーザーを含め多くの人に受けているスウェーデンの製品です。Synth1を見ると、色は違いますが確かにパラメータなどNord Lead2にちょっと雰囲気が似通っています。
私自身、最初にこのSynth1で驚いたのは、Synth1のサイトにあったMP3のデモ曲のサウンドを聞いたときです。そう、YMOのRydeenをSynth1で鳴らしたものをMP3で収録しているのですが、これがなんともオリジナルそっくり。ちょっと聞いただけでは、どっちがオリジナルなのかも分からないほどなのです。
その後、実際に触ってみてまた感激。これが本当にフリーウェアでいいのかというほどのデキなのです。2つのオシレータの組み合わせでFM変調ができたり、リングモジュレータとして使えるといった辺りもなかなかのもの。オシレータ部のパラメータを見てみると、ずいぶん数多くのものが用意されているのです。始めマニュアルを見ないとよく分からない表現もありました。
たとえばtrackって何だ?って。これはトラッキングというものを意味していて、打鍵したノートナンバーに応じた音程で発音することだそうです。確かにオフにすると、どのキーを弾いても音程が変わらず、右側のパラメータで一定の音程を決めることが可能となっていました。また、フィルターの効き具合いもなかなかのもの。エンベロープジェネレータはADSRの4パラメータですが、まあこれで十分でもあります。
さらにイコライザやディレイ、コーラス/フランジャーといったものも、Synth1本体に搭載されているというのも面白いし、まだ完全に完成とはいえないものの、アルペジエーターが搭載されているというのも、なかなか挑戦的でいいのではないでしょうか?