DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

国産のVSTi/DXi対応フリーソフトシンセ Synth1の実力(2ページ目)

フリーのソフトシンセ、Synth1。珍しい国産ソフトでありながら、非常に強力なアナログシンセのエミュレータ。このSynth1について、わかりやすく紹介します。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

 Daichiさんによると、このSynth1はClavia社のバーチャルアナログシンセ、Nord Lead2を手本に開発したと。Nord Lead2は赤がトレードマークのシンセサイザで、プロユーザーを含め多くの人に受けているスウェーデンの製品です。Synth1を見ると、色は違いますが確かにパラメータなどNord Lead2にちょっと雰囲気が似通っています。

 私自身、最初にこのSynth1で驚いたのは、Synth1のサイトにあったMP3のデモ曲のサウンドを聞いたときです。そう、YMOのRydeenをSynth1で鳴らしたものをMP3で収録しているのですが、これがなんともオリジナルそっくり。ちょっと聞いただけでは、どっちがオリジナルなのかも分からないほどなのです。


 その後、実際に触ってみてまた感激。これが本当にフリーウェアでいいのかというほどのデキなのです。2つのオシレータの組み合わせでFM変調ができたり、リングモジュレータとして使えるといった辺りもなかなかのもの。オシレータ部のパラメータを見てみると、ずいぶん数多くのものが用意されているのです。始めマニュアルを見ないとよく分からない表現もありました。


 たとえばtrackって何だ?って。これはトラッキングというものを意味していて、打鍵したノートナンバーに応じた音程で発音することだそうです。確かにオフにすると、どのキーを弾いても音程が変わらず、右側のパラメータで一定の音程を決めることが可能となっていました。また、フィルターの効き具合いもなかなかのもの。エンベロープジェネレータはADSRの4パラメータですが、まあこれで十分でもあります。


 さらにイコライザやディレイ、コーラス/フランジャーといったものも、Synth1本体に搭載されているというのも面白いし、まだ完全に完成とはいえないものの、アルペジエーターが搭載されているというのも、なかなか挑戦的でいいのではないでしょうか?
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます