■業界再編の台風の目、MAGIX社とは
ドイツのMAGIXというソフトメーカーをご存知でしょうか? 比較的安価な音楽制作ツール、ビデオ制作ツールなどをいろいろ出しているメーカーで、ヨーロッパでは結構著名なところです。国内においては、それほどメジャーなソフトメーカーではありませんが、98年からミュレイディアが独MAGIX社の製品を扱いはじめており、現在MAGIX Music Video Maker G5DX、MAGIX Music Video Maker V2000という2製品を扱っています。
また、フックアップも独MAGIXの代理店となっており、以前はMAGIX Live Act V2000という製品を扱っていましたが、現在はMAGIX Samplitude V6.0という製品を扱っています。
このSamplitudeという製品は非常に高性能なハードディスクレコーディングソフトであり、非常に長い歴史を持ちます。CubaseVSTやLogic、SONAR、DigitalPerformerといったソフトがいずれもMIDIシーケンスソフトから発展していったものであるのに対し、Samplitudeは最初からハードディスクレコーディングソフトとして誕生し、後にMIDI機能を搭載したという流れがあり、使い勝手やコンセプトなどが少し違うのがユニークなところです。また、いち早くサラウンドに対応しており、現在SteinbergのNUENDOと対抗するという位置付けになっています。
もっとも、このSamplitudeは最初からMAGIXのソフトというわけではありませんでした。これはやはりドイツのSEK'Dという会社で開発されたものであり、後にMAGIXにSamplitudeの権利がわたるという経緯になっていたのです。ただ、国内的にはフックアップが以前からSEK'Dの代理店であり、MAGIXに移ってもそのまま販売権を持っていたため、大きな混乱もなく移行していたのです。