DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロミュージシャンに聞くレコーディングの実際 プロはPCをどう利用するのか(2ページ目)

多くのDTMユーザーにとって気になるプロの活用法。そこで、ピアノとボーカルという構成の女性2人のユニットAreareaにパソコン/DTMをどう利用しているのかを聞いてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

――こんにちは。Areareaのおふたりは先日2ndアルバムをリリースしたんですよね。

りの:はい。『ユケオトメ』というタイトルの9曲入りのアルバムをBC RECORDSという会社から出しました。私たちとしては、1stアルバムである『arearea』、マキシシングルの『唄わなきゃ』に続く3枚目の作品になるんです。

――そのレコーディングにおいて、結構コンピュータ機材をいろいろと駆使しているという話を聞きましたが、実際どんなことをしているんですか?

りの:プリプロをゆきちゃんのところで行っているんですが、WindowsマシンにCubaseを使って作っています。これは1stアルバムのときから、そうなんですよ。

ゆき:ええ、CubaseVST32/5を使っているんですが、これは基本的にはMIDIのシーケンサとして使っているんです。ローランドのSMU64というUSBのMIDIインターフェイス経由でS-80というピアノに接続して、私が弾いたものをリアルタイムレコーディングしているんです。

――リアルタイムレコーディングした音を、エディットして使うんですか?

ゆき:いいえ、基本的に一発録りです。とくに今回のアルバムはノリを出すためにも、エディットはしないと決め、すべての曲でほぼ一発録りでした。そのため、多いものだと10回以上レコーディングしなおしましたよ。ホントはごく一部だけ、ミスタッチを直したところはあったんですけど、秘密です(笑)。もちろんクォンタイズとかは絶対に使っていませんよ。クォンタイズなんかをかけると、まったく違うものになってしまいますからね。

――でも、CubaseVSTなのにオーディオのレコーディングには使わないってちょっともったいない気がしないでもないですが……。

ゆき:でも、実はオーディオ機能は結構使っているんですよ。まず、テンポを決め、クリックを聞きながらピアノを演奏するわけですが、りのちゃんにも一緒に歌ってもらい、これをオーディオで仮歌としてレコーディングしています。その際は、ピアノは録っていないのです。その後、その歌を聞きながら私がピアノを弾き、レコーディングしていくんですよ。いろいろ試してみて、この方法が効率がいいんですね。

りの:曲によってはコラースも全部仮歌として録っていくんですよ。でも、あくまでもそれは仮歌であって、本番のレコーディングはスタジオでProToolsを用いて行うんですよ。
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