Music Frontは、ポプコンの21世紀版ともいえるもので、アマチュアバンドがデモ曲を作って応募し、審査した結果いい曲、いい演奏であればデビューができるというヤマハ主催のオーディションです。昨年6月にスタートしたMusic Frontはネット上で告知する一方でTVコマーシャルなどでも告知していたため、ご存知の方もいらっしゃると思います。
このMusic Frontに応募すると、まず事務局側で事前審査を行い、これを通過した曲がMusic FrontのWebサイトに公開され、誰もがネット上で演奏を聞くことが可能になります。そして、一般のユーザーがレビューワーとなり、公開されている曲に対して、いろいろな角度から点数を付け、その得票数が高かったバンドおよび、事務局側が推薦するバンドのそれぞれがデビューできる仕組みになっているのです。
こうした審査を行った結果、これまで10組がデビューしています。といっても現在までのところメジャーレコード会社でのデビューではなく、ネットでの音楽配信とカスタムオーダーCDというちょっとめずらしい形でのデビューです。具体的にいうと、ネット音楽配信は大きく3通り。ひとつはインターネットでの音楽配信、ふたつ目がPHS(NTTドコモのM-stage-music、DDIポケットのSound Market)を使ったもの、3つ目がキオスク端末(MUSIC POD、MusicDeli)を用いたMDへの音楽配信です。
またカスタムオーダーCDというのは曲目を指定して注文するとCD-Rに焼かれて宅配されるというサービスです。すでにサービススタートしていたものもありますが、2月16日にヤマハが記者発表会を行い、正式にすべてがスタートすることになったのです。
こうした、仕組みが整った一方で、非常に気になったのが応募した1000組のバンドの応募の方法です。当初ヤマハ側もカセットテープを使った郵送がほとんどであろうと踏んでいたようなのですが、状況はだいぶ違ったのです。1000組中の約半数がネットでのエントリーをしており、約3割がデモ曲を自らMP3化しインターネットを使ってアップロードしていたのです。
これらMP3で応募したバンドの中にはホームページを持っているところがあったり、すでにDTMを用いたレコーディングを行っているなど、コンピュータスキルが高いバンドが多かったとのことです。一方、郵送応募の中の約5割がCD-Rを使っており、MDが3割、カセットテープは2割だったということで、バンドのデジタル化が確実に進んでいることが分かります。
デビューした10バンドがそれぞれどの形式であったのかは判明しませんでしたが、曲のクォリティーを高めるためにもDTM、HDレコーディングは必須となってきているようです。
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