歌舞伎/歌舞伎関連情報

『伽羅先代萩』 その2(2ページ目)

4月歌舞伎座の演目から、『伽羅先代萩』のあらすじとみどころを独断と偏見でご案内いたします。

執筆者:五十川 晶子

あえて大きく善玉と悪玉に分けてみる。

中央に、放蕩で隠居させられた頼兼、幼い当主の鶴千代がいる。
善玉グループ:細川勝元、忠臣とその妻たち。政岡、息子の千松、渡辺外記左衛門父子、荒獅子男之助
悪玉グループ:山名宗全、大江鬼貫、仁木弾正、栄え御前、八汐 他 

善玉の代表選手、政岡は歌舞伎の女形の役の中でも最も大変な役とされている。花魁などの鬘に比べて、かなり実務的で地味な「片はずし」という独特の鬘だ。この鬘をつける女性は、幕府や大名の家中で重責を担うる女性であることが多い。御家を守る思いにかけては、家中の男性陣に負けない。そんな女達のドラマを、歌舞伎では「片はずしもの」と呼ぶこともある。

その3へ続く。
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