歌舞伎/歌舞伎関連情報

三人吉三に漂う気分。その1(3ページ目)

二月の歌舞伎座、夜の部で『三人吉三巴白浪』(さんにんきちさともえのしらなみ)が上演されています。このあらすじと見どころをご案内します。

執筆者:五十川 晶子

和尚の父・土左衛門傳吉はその名のとおり、川端へ流れ着いた土左衛門(水死体)を引き上げて葬ることを生業としているが、元は和尚に輪をかけたワル。双子の子供がいたが、娘は金になるからと手元に残し、息子は捨ててしまった。実はこの娘・おとせと、息子・十三郎はひょんなことから出会い、近親相姦に陥ってしまうのだが。

お嬢は、百両を和尚の妹・おとせから横取りしたことを後に知り、一方お坊は傳吉を和尚の父と知らずに殺してしまう。お尋ね者となった二人は一緒に死のうとするが、和尚は弟と妹であるおとせと十三郎を自分の手で殺し、その首をお嬢とお坊の身代わり首に差し出す。しかし大詰、降りしきる粉雪の中、ついに三人の吉三は捕手達に囲まれ、万事休すとなる。
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