『?競艶仲町』は鶴屋南北の作品を約207年ぶりに復活上演するものだ。享和2(1802)年に初演されたものだが、これまで一度も活字化されなかった幻の作品だ。初演当時の手書き台本を基にアレンジされて蘇る。
監修を担当した歌舞伎研究者の古井戸秀夫氏によれば、
「写本の形で伝わった台本を基に、上演の形を探った南北48歳のときの力のこもった作品」という。また、「?という珍しい字は、いわゆる大言壮語の大言の意。江戸の若者たちが意気地をかけてぶつかり合うのが見どころ」。
坂東三津五郎、中村福助、中村橋之助ほかの出演で、南北歌舞伎の新たな魅力を発見できるかも。
江戸歌舞伎の気分の溢れる、国立劇場のお正月となりそうだ。