歌舞伎/歌舞伎関連情報

国立劇場 南北の力作が207年ぶりに(2ページ目)

1月国立劇場の演目は他に『十返りの松(とがえりのまつ)』と『誧競艶仲町(いきじくらべ はでななかちょう)』。『誧競』は鶴屋南北の狂言を約207年ぶりに復活上演するものだ。

執筆者:五十川 晶子

『?競艶仲町』は鶴屋南北の作品を約207年ぶりに復活上演するものだ。享和2(1802)年に初演されたものだが、これまで一度も活字化されなかった幻の作品だ。初演当時の手書き台本を基にアレンジされて蘇る。

監修を担当した歌舞伎研究者の古井戸秀夫氏によれば、
「写本の形で伝わった台本を基に、上演の形を探った南北48歳のときの力のこもった作品」という。また、「?という珍しい字は、いわゆる大言壮語の大言の意。江戸の若者たちが意気地をかけてぶつかり合うのが見どころ」。
坂東三津五郎、中村福助、中村橋之助ほかの出演で、南北歌舞伎の新たな魅力を発見できるかも。
江戸歌舞伎の気分の溢れる、国立劇場のお正月となりそうだ。
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