おすすめのシーズンイベントは?
気候に合わせて旅を決めるのもいいですが、メキシコらしさを感じられるイベントの開催時期に合わせて行くのも、また一興! 数あるイベントの中でも、特にメキシコらしさを感じられるイベントが独立記念日と死者の日です。■独立記念日(9月16日)
一年間のなかで、メキシコらしさを最も感じられる行事が、独立記念日。1810年にスペインの植民地支配から独立した9月16日を祝う日です。9月15日の前夜祭がとくに盛り上がり、メキシコシティのソカロ(大広場)では、大統領の挨拶が行われるため、およそ50万人が集まります。
メキシコ全土で盛大に祝われるので、地方でもどこでも楽しめるでしょう。その日の町の中心には屋台がたくさん出て、イベントも開催されるので、お祭りムード満点。独立記念日の前日にあたる9月15日の23時になったら、「ビバ、メヒコ!(メキシコ万歳!)」と叫ぶのがお決まりです。顔にはメキシコ国旗のペイントをし、泡スプレーをかけあったり、卵の殻の中に紙吹雪をつめたものを投げつけあったりと夜通し大騒ぎします。
ちなみに1910年、ポリフィリオ・ディアスの独裁政権を倒すため、エミリアーノ・サパタら革命軍が、革命を起こした11月20日の記念日も祝日にあたりますが、独立記念日のほうが派手に祝われている印象があります。
来年2010年は、ちょうどメキシコ独立200周年、革命100周年にあたるので、これまで以上に盛大に祝われることでしょう。
■死者の日(10月31日~11月2日)
毎年10月31日から11月2日までの死者の日を祝う期間も、メキシコ独特の風習を見られる良い時期です。メキシコでは11月2日に死者が戻ってくるといわれ、日本のお盆と同様に先祖を偲ぶ日と言えます。カトリックの要素が強いメキシコの習慣のなかでも、死者の日は先住民文化の影響が強く、死を恐れず、近い存在だと感じる独特の死生観と深く結びついています。
近年は、アメリカ文化の影響で、同時期にあるハロウィンの要素も混じってきているとはいえ、ガイコツのモチーフがやたらと多いのが特徴。それもおどろおどろしいものではなく、陽気で今にも踊りだしそうなガイコツで町はいっぱいになります。
「パペルピカド」と呼ばれるカラフルな切り紙細工の旗が飾られ、独特な祭壇が家庭だけでなく、商店や美術館、博物館、公共機関など町のいたるところに備えつけられます。祭壇には遺影と、マリーゴールドやケイトウの花とともに、故人の好物だった食べ物や飲み物、趣味のもの、菓子パン、ガイコツの形の砂糖菓子などが飾られます。多くの人々が墓参りに行きますが、墓前でピクニックしたり、酒盛りをしたり、楽団を呼んだりして、故人との交流を楽しみます。メキシコ全土で祝われますが、とくに伝統的な風習で有名なのは、ミチヨアカン州パックアロ近郊のハニツィオ島、オアハカ州、メキシコシティ郊外の村ミスキックなど。
この時期、メキシコシティなど都心部が込むことはないのですが、里帰り客が多くなり、地方へ向かう長距離バス、飛行機などはかなり混雑します。国内線でも飛行機のチェックインは2時間前までに済ませましょう。遅れると航空会社のオーバーブッキンクのせいで乗れなくなってしまうことがあります!