玉ねぎ染めのやり方とは
玉ねぎ染めのやり方
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結論からいえば、とってもきれいに染まりました!(参考図書:母袋信恵『草木染め』ブティック社、2006年) |
「染物」は家庭でも意外に簡単にできるらしいと聞き、さっそくチャレンジしてみました。大なべでぐつぐつというような大がかりなものではなく、自然の材料を使って、子どものこまものにできそうな少量だけ染めます。今回の材料は、簡単に手に入る「たまねぎの皮」。きれいな黄色に染まるでしょうか?
玉ねぎ染めの道具の用意
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家庭にあるものや、100均ショップで買ったもので、お手軽な染物体験。たまねぎの皮が一番大事ですね。 |
<用意するもの>
・小さな鍋
100円均一ショップで購入したホウロウ製。草木などで染める場合は、料理用のお鍋と別にしましょう。
・たまねぎの皮とそれを入れておくボウル
3個分のたまねぎの皮をためました。自然に乾燥します。噂では、有機や無農薬のタマネギはいい色が出るとか。乾いた部分を使用します。
・みょうばん
色素を定着させるのに使います。食品添加物なので、スーパーのお漬物や乾物のコーナーにあります。
・割りばし、エプロン、雑巾、ゴム手袋など
玉ねぎ染めするものの用意
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染めたいものならなんでもOK。蛍光塗料で白く染めてあるものは要注意です。 |
染めたいものならなんでも、ご家庭にあるものでよいと思います。
<今回用意したもの>
・ワイシャツ生地のはぎれ(14×38[センチ])
・ワタふきん(40×40[センチ])
・余りものの毛糸(アクリルとウールの混紡5グラム分ほど)
玉ねぎの皮をひたひたの水で火にかける
たまねぎの皮をどさっと入れて、吹きこぼれない程度に水を張り、火にかけます。じっくり色素を抽出するのがコツなので、気長に火にかけましょう。今回は、ほかの家事をしている間、だいたい40分くらいコトコトと煮出しました。
このとき、下準備として、染める素材を水洗いしてしぼっておきます。絹や羊毛などの動物性繊維は染まりやすく、綿などの植物性繊維は染まりにくい性質があります。綿や麻などを染めるときは、牛乳や豆乳で洗ってしぼっておくといいそうです。
煮出した液をこす
十分に煮出して、濃いオレンジ色になったら、熱いうちにこします。大きな皮などはそのまま取って捨て、細かいゴミは茶こしとふきんでこしましょう。
玉ねぎ染めしたいものを浸ける
こうして出来上がった染液を再び鍋に戻し、染めたい布や糸を浸して、火にかけます。このときも、吹きこぼれないようにコトコトを目指してください。だんだん染液が少なくなって、布や糸が濃く染まっていきます。頃合いを見て、引き上げてください。
媒染する
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ミョウバンの媒染液に浸けます。 |
染めた状態だけで乾かす方法もありますが、媒染液につけると色素が定着します。そこでさっと色が変わるところを見るのも、染物の楽しみかもしれませんね。ボウル1杯の水かぬるま湯に、ミョウバンをティースプーン1さじほど入れてよくかき混ぜ、媒染液を作ります。染液から引き上げた布や糸をからまらないように注意しながら、媒染液に浸し、20分~1時間ほどおきます。今回は、1時間ほどで引き上げました。深みのある黄色に染まっています。
干してアイロンをかける
よく水洗いし、干します。毛糸はからまらないように注意して!乾いたら、アイロンをかけて完成!午後に始めて、夜には完成していました。風合いよく、自画自賛ですが上々です。綿布は子どものハンカチに、布巾はそのまま、毛糸は指編みなどに使います。
『草木染の絵本』
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文字がびっしりの、百科事典的な草木染解説の絵本です。染めの歴史、身近な染料と、無媒染・アルミ媒染・鉄媒染で染めたときの色の違い、実際に「絹のストールをサクラの落ち葉で染めよう」「タンニン下地の木綿をアカネで染めよう」という実践例が載っています。圧倒されますが、染めの原理や奥深い世界をしっかり知ることができます。媒染によって色が変わるところが染めの魅力でもあるようですね。そういえば、梨木香歩さんの『からくりからくさ』も、染め織りに魅せられ、手仕事の中に生きるお嬢さんたちが出てくる小説でした。
■『草木染の絵本』
へん:やまざきかずき
え:かわかみかずお
出版社:農文協
出版年:2006.4
『草木染め』
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草木染めのイロハが分かります。カモミール、ラベンダー、ピーナツなど様々な草やハーブで染めることができます。ただ染めるだけではなく、その後にバッグやアクセサリー、リースなどの作り方も出ているので、作る楽しみが広がります。草木染めというと毛糸や布だけと思っていたのですが、木のボタン、紙、卵の殻など様々なものを染めることができるのですね。重ね染めやしぼり染めのテクニックも分かりやすく紹介されています。
■『草木染め』
著:母袋信恵
出版社:ブティック社
出版年:2006.11
本来は計量もしっかりし、一番液、二番液の違いや媒染液の違いなど、様々な組み合わせを考えるべき「染め」なのですが、あえて「簡単」をキーワードに挑戦してみました。挑戦という言葉がおこがましいくらい簡単で、素朴な風合いにはまりそうです。木の枝、花びら、木の実。いろいろなもので試していけそうです。皆さんも、どうぞお手軽に「染め」遊びを楽しんでみてくださいね。
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