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悶々!女の敵は女?女性上司が産休をチクリ

産休・育休取得を申し出たら、女性上司が「あなたは甘えている」とチクリ!?女性の敵は女性って、本当なんでしょうか?

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド


懲りずに続く、「悶々お悩み相談室」!みなさまのあんまし深刻じゃないお悩みや日常の微苦笑その他に、日々血の汗を流すふりして惰性で生きてる子持ちガイド☆カワサキ(♀・乙女座32才B型)が、それなりに精一杯お答えさせていただきまふ。


本日のお悩み:女性上司が長期育休取得をチクリ。「産休明けても席が確保されてると思ったら、甘いわよ!」(ともょ・28歳)

頑張ってきた女性上司に限って、女性部下と対立することも
「アナタ甘いわよ」って、女性上司に言われるほうがキツイ?
最近マスコミで言われるような、「女性に優しい」会社とは言い難いわが社。女性の先輩たちは、出産と共に退職するか(こちらが絶対的多数)、または残るなら死に物狂いで働くか、どちらかの選択を強いられてきました。でも最近の流れから、とうとう小さいわが社にも女性の人材確保のために1年間の育休を認めようという流れができてきて、妊娠が分かったときも安心して女性上司に報告することができたのですが……。


報告を聞いた上司は一言、
「そう。でも私個人の希望としてはあなたに抜けられるのは計算外。半年で戻ってもらえないようなら、人事に他の人材を要請するけれど、あなた、どうする?」
ストレートな物言いをする上司ではあるけれど、これは要するに「半年以上抜けるなら、あなたの席はないわよ」という宣言……。楽天的だと言われるかもしれませんが、1年は育休を取れると踏んだ上での出産決意だっただけに、彼女のこの反応はショックでした。他部署で前例があっても、他部署は他部署、うちの部では通用しないといわんばかりです。

彼女は40代後半、2人の子どもは高校生です。産後1ヶ月で戻ったというのが武勇伝になっている彼女は、長期の産休を取得したいと思う若い世代は「甘えている」と思っているらしく、とても厳しいです。女性の敵は女性、といいますが、本当だな~と思いました。結局、前例どおり1年の育休が取れる見通しになっていますが、彼女との関係は気まずいまま。育休明けが思いやられます……。

「女性の敵は女性」。これは、女子なら皆さん感じたことがあることではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

「未婚女子」vs「既婚子持ち女子」というのが典型だと思われるかもしれませんが、実はむしろ、同じ既婚子持ちでも上の世代と下の世代との価値観の違いが、大きな溝になっていることもあります。

ある元編集者の女性(40代前半)が話してくれました。
「自分が独身のとき、いつも子どもが熱を出したとか色々な言い訳をして原稿が遅れるライターさんがいて、『子供を言い訳にして仕事が甘いのってどうなの』と腹が立った。誰かが育休を取ると、そのとばっちりを残っているメンバーが被るのにもイライラした」

「だけど、自分より上の世代(現在40代後半)が、結婚せず、子どもも持たず、ひたすら仕事にまい進してぎすぎすと仕事をする姿にも違和感があった。いい部屋にいい車、ブランド服、華やかな人脈、そういうのが成功の証になって、ぐんぐん上昇するのだけれど、なんかサイボーグみたい、って。仕事でぎすぎすになって、それを癒すために、メンテナンス費用みたいに高いエステや旅行に大枚をはたいて。それってエンドレスだなーと」

「だけど、産休だ育休だって長期仕事から離れるのが当たり前という今の若い子の考えは、ちょっとなーとも思うよね。自分が管理職になると、そうやって部下に簡単に持ち場から離れられちゃうのは迷惑。もう少し、自分の責任についても考えてくれないかなって」。

結局、仕事と家族のバランスに正解はなく、それぞれの解があって当たり前だと思うのですが、お互いに厳しい目をもつ女性同士では、なかなか相手の解にOKが出ません。「苦しい時代も頑張ってくぐり抜けてきた」自負のある上司世代は、自分と同じように努力をしない部下世代に歯がゆさを感じ、「等身大でいい」と、がつがつ努力することに抵抗のある部下世代は、仕事も家庭もと常に頑張る上司世代に「あんなに頑張って、本当に幸せなの」とクールな視線を送ります。上の世代には上の世代なりの経験と論理があるのですが、下の世代には「押し付けがましい」と映ることも。

カワサキが子育てにまるっきり興味のなかった若い頃(もちろん若い頃だってあったのです)、同じバイト先に子どものいる女性がいたのですが、まったく別の世界の人だと思っていました。彼女が、子どもが熱を出したので仕事を代わってくれないかと藁をもつかむ思いでカワサキに電話をかけてきたとき、単に「これからバイト先に出かける準備をするのが面倒くさい」という理由で、ウソをついて「できません」と断ったことがあります。今なら「ああ、若いって残酷だなぁ」と自分を恥ずかしく思いますが、当時はちょっと「悪いかな」と思う程度で、良心の呵責はありませんでした。

女子に限らず、人には「アンテナ」というのがあると思います。自分のアンテナは、結局自分を軸に立っているわけで、そのアンテナにひっかからないヒト、モノ、コト、情報は、全て「ない」も同然になってしまっている。アンテナの大きい人は、自分とは違う境遇や価値観を想像する力があるから、色々な物事を感知できるのですね。ともょさんにはともょさんのアンテナが、女性上司さんにも彼女のアンテナがあるのですが、お互いのアンテナが違う方向を向いているのでしょう。ともょさんは、今はこれから初めて経験する妊娠出産にアンテナが向いているので、期待と不安、育児となるべく長い間向き合いたいという希望があるけれども、女性上司さんは仕事上の責任にアンテナが向いているので、その気持ちを共有できないのかもしれません。

どちらがいいとか悪いとかではない問題ですよね。でもともょさんが何を一番大事にしているか。文面から察するに、それはきっと、生まれてくるお子さんと向き合いたいという気持ちなのだと思います。それを大切にして、将来「あの上司と同じ立場になってもああは言わない」。それが後輩女子たちのためにしてあげられることでは?

極小の自分軸アンテナしか持たないカワサキが何を言う、と笑われそうですが、「女性の敵は女性」は、実は敵じゃなくて「アンテナの違う仲間」と理解できたら、みんな仲良くなれるような気がするのですが。ともょさんが感じたことは、将来きっと、糧になるはずです。
先輩母の皆さま、ともょさんにエールを!


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