乳児育児/赤ちゃん返り

「赤ちゃん返り」の症状と上の子が安心する上手な対応

赤ちゃん返りの症状として、急に赤ちゃん言葉になったり夜泣きなどが見られます。つい生まれた赤ちゃんにばかり目がいきがちですが、上の子の赤ちゃん返りの症状が見られたら、上の子との親子関係を見直すための適切な対応をとりましょう。

執筆者:浅川 美映

 

上の子の「赤ちゃん返り」は弟・妹が生まれると見られる

「赤ちゃん返り」の症状と上の子が安心する上手な対応

赤ちゃん返りで急に赤ちゃんのようになってしまう上の子

産みの苦しみと言いますが、赤ちゃんはその苦しみをも忘れさせてしまうほど、可愛くて愛しい存在ですよね。そして、いつしか痛みを忘れ「もう一人欲しい!」と思ったりもします。「子どもを何人も育てるのって大変かしら?」「2人(以上)に平等に愛を与えられるかしら?」などの不安が出てくるママさんもいるでしょう。

大丈夫ですよ。自分のお腹で育てた子は、何人でもみんなかわいいものです。とはいえ、赤ちゃんが生まれると、ついそちらに目がいってしまいがちです。上のお子さんは、つい先日まで「ひとりっこ」だったのが、急に「もう、お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんでしょ」と言われ、戸惑ったりします。下の子が生まれたからといって、すぐにお兄ちゃん・お姉ちゃんになれるわけではありません。まだまだママの愛情を欲しいし、独占したいのです。そんな気持ちが「赤ちゃん返り」として現れたりします。

お子さんが1人という方も、兄弟姉妹が欲しいなと思っていたら、ぜひ上の子との親子関係見直しのために「赤ちゃん返り」について知っておきましょう。お子さんが複数いらっしゃる方は、こんなことに思い当たりませんか? 一度お子さんとの関係を見直してみてください。
 

赤ちゃん返りの症状は、夜泣きやおもらしが増えるなど

赤ちゃん返りとは、一体何でしょう? その名の通り「赤ちゃんに返る」ことです。赤ちゃん返りの症状として表れるのは例えば……
  • おもらしが増える(オムツをしたがる)
  • 夜泣きする
  • 赤ちゃん言葉を話すようになる
  • 赤ちゃんに対して乱暴をする
  • なにかイライラしてるように見える
  • どもる
このようなことが挙げられます。こういった赤ちゃん返りの症状は、子どもの「ママ! ぼく(わたし)を見て!」という心の叫びなのです。これを心の叫びと分からず、「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ!」と、ママが言ったら……子どもはどう感じるでしょう?

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんかになりたくない!」そんな風に思ってしまうかもしれませんよね。
 

赤ちゃん返りへの対応、まず上の子の声に耳をよく傾けること

赤ちゃん返りはママが赤ちゃんに取られてしまうんじゃないかという不安が原因

赤ちゃん返りはママが赤ちゃんに取られてしまうんじゃないかという不安が原因

ママは子どもが増えたら、例えば「愛情を半分こ」なんて思うかもしれません。でも、子どもから見たら、いつでもママはひとり。ママからたくさんの愛情を……半分こではなく、全部欲しいのです。こういった上の子の気持ちへの対応は、どうしていったら良いのでしょう。答えは簡単です。子どもの声・言葉・行動に耳や目を傾けることです。

赤ちゃんのお世話で忙しくても「ママ~!」と呼ばれたら、必ず「な~に?」と返事をしてあげてください。決して「今、○○してるでしょ! あとにして」なんて、子どもの言葉を遮断しないように。

子どもがそう呼ぶからには、何かママに伝えたいことがあるのです。その用件を聞いてから「わかったよ。じゃあ、今、○○してるから、終わってからでもいい?」と、子どもに確認をとっても良いのではないでしょうか。

時には「やだ! 待てない!」と言うかもしれません。そんなとき、毎回とは言いませんが、ちょっとその手を休めてお子さんの手を握る、そして話すこともいいですよね。ママの手の温もりから、お子さんはママの愛情をしっかり感じることでしょう。
 

赤ちゃん返り対策……上の子とのスキンシップタイム

「赤ちゃん返り」の症状と上の子が安心する上手な対応

赤ちゃんが寝ている間は、上の子とのスキンシップタイムに

どんなに大きくなっても子どもは子ども。いつでも自分を見ていてほしいし、愛情もたっぷりほしいのです。そして、スキンシップも大切です。赤ちゃんが寝てるとき、本当は少し横になりたいですよね。でも、もうひとりの可愛い子がいたら、そうもいきません。その時間は絶好のスキンシップタイムです。

お子さんは照れてしまうかもしれません。でも、手を握って話したり、時にはぎゅっと抱きしめて「あなたのこと、大好きよ」と言葉や態度で伝えていきましょう。子どもは照れながらも、すごく喜びますよ!
 

上の子の甘えに応えられなかったら、後で素直に謝って

赤ちゃんが泣いてる時、上の子に呼ばれてもそんな余裕ない!と言われる方もいるでしょう。そうですよね。私もそうでした。つい「あとで!」なんて言ってしまい、胸が痛んだこともあります。

そんなときは赤ちゃんのお世話が落ちついたら、お子さんをぎゅっと抱きしめて、「ごめんね。ママ、さっきは赤ちゃんが泣いてたからついあとで!って言っちゃった」と素直に謝ることです。子どもだからほっておけばいい、そんなことはありません。悪かったな……と感じたら謝りましょうね。
 

お姉・お兄ちゃんになったんだという気持ちの芽生えも大切に

とはいえ、ある程度の年齢になってから下の子が生まれると、「ぼくはお兄ちゃん(お姉ちゃん)になったんだ!」という気持ちも芽生えています。そのような気持ちは大事にしてあげましょう。

例えば、子どもが「お手伝いをしたい!」と言うときは、何かできることを一緒にやるのも良いでしょう。授乳してる様子を見せてあげて「あなたもこうやって、おっぱいを飲んでいたのよ」と話しても良いかもしれません。一緒にオムツを換えたりするのもいいですよね。

いろんなことを体験する中で「ぼくも(わたしも)こうやってママにやってもらっていたのか」と新たな発見をするかもしれません。そしてママの愛情を再確認することでしょう。
 

赤ちゃん返りにイライラ…上の子が生まれた時の気持ちを思い出して

最後に、こんなことを思い出してみませんか? それは、その子が生まれたときの気持ちです。ぎゅっと抱いたら壊れちゃうんじゃないかしらと心配になるほど、かわいかった赤ちゃんのとき。ひとつひとつの成長が、本当に嬉しく感じたのではないでしょうか。

それは今も同じですよね。お子さんの成長が嬉しくない……そんなことはないでしょう。だからといって、成長=赤ちゃんのお兄ちゃん(お姉ちゃん)ではありません。その子、その子の成長なのです。その子自身を見てあげてくださいね。


ママはたくさんのパワーと愛情が必要かもしれません。でも、そのパワーと愛情は、きっと子どもたちからたくさんもらって、充電できると思います。たくさんの愛情の充電と放電をしてくださいね!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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