抱き癖を心配するママに伝えたい、赤ちゃんが泣く理由

赤ちゃんが泣く理由や、抱き癖への心配

赤ちゃんが抱っこしないと泣くのはなぜ? 抱き癖を付けないために放っておくことも必要?!

新生児や赤ちゃんは様々な理由で泣きます。よく泣く赤ちゃんに対して、「抱き癖がついている」という表現をする人もいます。それでは、“甘やかさない”ために、“あまり泣かずに我慢する”ようになるために、放っておくことも必要なのでしょうか? 赤ちゃんの「泣き」の理由をもとに、考えていきます。

 

赤ちゃんはなぜ泣くの?

生後すぐの泣く赤ちゃんの写真

生後すぐから、泣いて「おなかがすいた!」と意思表示。

「オギャー!」という産声。赤ちゃんの一生は、泣くことから始まります。お母さんのおなかの中にいた時には、胎盤とへその緒を通して酸素や栄養分を取り入れ、二酸化炭素や老廃物を排出していた赤ちゃんは、誕生と同時に肺呼吸をするようになります。その肺呼吸の始まりが、産声です。

生まれてしばらくの赤ちゃんは、泣くことでしか意思表示ができません。おなかがすいた、オムツが汚れて気持ちが悪い、暑い・寒いなどの不快感を訴えている場合は、授乳をし、オムツを替え、衣類や室温を調節することでまたスヤスヤと眠りへ入ります。

それらで泣き止まずに激しく泣き続ける場合は、体調の悪さや痛みを訴えている場合もあります。なんだかグズグズいつまでも泣いているなあと思ったら、発熱の前兆だったり、中耳炎で耳が痛かったなどということも。このように、「泣き」に注意を払うことから育児はスタートしていきます。

 

成長とともに、泣きの理由も複雑に

後追い泣きする赤ちゃんの写真

生後7~8ヵ月。常にお母さんの姿を求めて、泣きながら追いかけます。

不快を取り除き、欲求を満たせばスヤスヤ眠りに入っていた赤ちゃんも、2~3ヵ月するとそうはいかないことも増えてきます。かまってほしい、抱っこしてほしいという気持ちが芽生えてくるのですね。お世話してくれる人との間に、「愛着」(赤ちゃんとお世話をする人の間の相互信頼関係を示す、発達心理学の用語)が築かれてきたことの証しです。7~8ヵ月になると、ずりばいやはいはいで、泣きながらお母さんを追いかける後追い泣きも始まります。

赤ちゃんは、不快や欲求を訴える以外の理由でも泣きます。大人でも、緊張していてふと気が緩んだときや感動した時に、目の奥が自然に熱くなることはありませんか。赤ちゃんも、安心して感情が解き放たれた時に、大泣きすることがあるようです。身近にお世話してくれる人がいることを認識した赤ちゃんは、眠くてもうまく眠りに入れないときにも、泣いて助けを求めます。抱っこされて安心感を得られると、眠りに入っていくことができるのです。

抱っこやベビーカーでのお散歩が経験できるようになると、外界の空気や音、人々のしゃべり声などによって、たくさんの刺激を受け、感覚が研ぎ澄まされていきます。刺激をたくさん受けた赤ちゃんは、大きな声で全身を使って泣くことによって、受けた刺激を自分のものとして取り込んでいるようです。

 

発達の節目節目にも注目

寝返りができそうでもう一歩のとき、赤ちゃんはもどかしそうによく泣きます。寝返りができてうつ伏せになって、その状態から元に戻れないときにも、泣いて助けを求めます。その後、おすわり、ずりばい、はいはい、一人立ち、と発達を遂げていくごとに、その一歩手前で、できそうでできないとき、赤ちゃんは精一杯泣きます。「もうちょっとでできるのに!」「こんなことも挑戦しているんだよ!」と、身体全体でアピールしています。

 

泣くのは赤ちゃんの仕事だけど……

大泣きして抱っこされる赤ちゃんの写真

泣いて抱っこしてもらうことの繰り返しによって、赤ちゃんに安心と信頼の心が育ちます。

色々な要因で泣く赤ちゃんを、常に抱っこやおんぶをしてあやすことは、赤ちゃんがいる生活の中で家事もてんこ盛りなお母さんにとっては、至難の業です。上のお子さんにまだ手がかかるという場合もあるでしょう。まだ自由に動けない赤ちゃんは全身を使って泣くことで、運動をし、成長をしていきます。泣いているからすぐに抱っこしてあやす、ということができない場面があっても、気にすることはありません。

しかし、「泣く」という赤ちゃんの働きかけに、お世話する人が応答することによって、身近な人との愛着関係が築かれていくという大きな発達過程があります。泣いても応答がない場面ばかりが繰り返されると、いずれ泣くことをあきらめ、あまり笑わない、いわゆる「サイレントベイビー」になることもあります。

 

愛着関係を築くのはお母さんだけの仕事ではありません

逆に、「サイレントベイビー」と聞いて、今まで赤ちゃんへの声がけや抱っこが少なかったのではないかと心配になるお母さんがいるかもしれませんが、大丈夫です。子育てには、取り戻すことができる部分が大きいのです。これからたくさん、声をかけ、遊んであげましょう。すぐにあやすことができない場合には「お母さんは今やらなければならないことがあるから、ちょっと待っていてね」と、そのつど声をかけてあげましょう。

そして、赤ちゃんと愛着関係を築いていくのは、お母さんだけの役割ではありません。他のご家族や、地域の人々、保育園の先生など、様々な人たちの働きかけによって、赤ちゃんは身近な人との愛着関係を築き、心を安定させていきます。家の中でも外でも、赤ちゃんが泣き続けるとお母さんは疲労も感じますし、「抱き癖」という言葉にも敏感になるものですが、泣いてたくさんの人に抱っこされてという経験を繰り返せる赤ちゃんは幸せです。赤ちゃんの成長の証しである「泣き」をたくさんの人で見守っていけるといいですね。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。