ある人は鉛筆削りだったり、またある人は会社によくある大きな裁断機やパンチ、女性の方ならスクラップブッキング用のクラフトパンチかもしれない。
こうした色々と幅広い商品を扱っているが、いずれもひとつの共通点がある。それは、何かを切ったり穴を開けるということ。この点に絞り込んで商品を作り続けているメーカーである。
そのカール事務器が、その得意技術を駆使して世界初となる小型2穴パンチを作り上げた。
カール事務器 2穴パンチ 「アリシス」 |
約120年ぶりという2穴パンチの新発明
小型2穴パンチは、今から117年前の1892年にドイツのメーカーが発表したことに端を発している。その12年後、日本にも輸入され販売されるようになった。カール事務器でも、1947年から2穴パンチを製造し、その専門メーカーとして数々のモデルを世に送り出している。その基本構造は、大きく変わることなく今日まで至っている。そして、約120年ぶりにカール事務器が、この2穴パンチを新たに進化させた。
「アリシス」には2タイプがある。 左:最大で20枚までパンチできるLP-20。右:最大で35枚までパンチできるLP-35。 |
パンチの弱点を克服
2穴パンチでたくさんの書類に穴を開けようとすると、どうしても体重をかけてヨッコラショとそれなりの力をかけなくてはならなかった。今回の「アリシス」ではこの点を大きく向上させている。つまり、これまでよりも軽い力でパンチできるようになっているのだ。では、どのような方法で軽くしているのかというと、それは二重テコ構造によるもの。
従来のパンチでもハンドルを押し込むという点では、すでにテコを使っている。そのテコに加え、「アリシス」では内部にもう一つのテコを搭載している。
これによりカール事務器のカタログによれば、約半分の力でパンチができるようになったという。さらに、この「アリシス」が画期的なのは、こうした二重テコ構造を搭載しながらも、従来品とほぼ同じ大きさに抑えられている点。
一般にテコをより効果的に働かせる、つまり軽い力でも作用させるには、力を加える「力点」を長くしなくてはならない。
しかし、この「アリシス」は先程も触れたように大きさはこれまでと変わらない。
同社従来品(右)と比べても大きさはほとんど変わっていない。 |
もちろん、「力点」であるハンドルの長さもほぼ同じになっている。
ハンドルの長さもほぼ同じ。 |
ちなみに、このハンドルは、押し込んだ状態でロックしておくことも可能。パンチは実際に使っている時間よりも、実は収納している時間の方が圧倒的に長い。つまり、収納性もとっても重要なファクターなのである。今回の「アリシス」では機能性だけでなく、収納力もしっかりと考えられている。
サイドにあるロックボタンを押し込むとハンドルが固定され、収納しやすくなる。 |