「嶋浩一郎のアイデアのつくり方」ディスヴァー21 |
この本によりますと、下準備から始まっていくつかの工程を踏んでいくとあります。
しかも、この本がいいのは、いわゆる実用書とはひと味違っていまして、中には、デザインステーショナリーが紹介されています。それらを駆使して、繰り広げられるアイデアのつくりかたが書かれているのです。
これはもう、ステーショナリー好きにはたまりません。
今回の「隣の文具活用術」ではその著者、嶋浩一郎さんにご登場いただきます。
アイデア発想ステーショナリーとはいかなるものか。そこのところをタップリとうかがってきました。
博報堂ケトルの代表取締役。アイデアのつくり方の著者でもある嶋浩一郎さん |
では早速、まいりましょう。
ガイド土橋:
文具のお話しに入る前に、まず嶋さんの現在のお仕事からお聞かせいただけますでしょうか。
嶋さん:
私は博報堂ケトルという会社の代表をしています。
私の仕事はいろいろとあるのですが、大きく二つに分けられます。
ひとつはクリエイティブディレクター。これはクライアントから依頼を受け、その商品やサービスを売っていくための広告やキャンペーンのプランニングをして、実際に実施いていくものです。
そして、もう一つは編集の仕事です。雑誌やWeb サイトのコンテンツを作っています。例えば、アディダス・オリジナルス のフリーペーパーを制作したり、J-WAVEの番組表の編集もしています。雑誌では、ポプラ社から出している食材カルチャー誌「旬がまるごと」のプロデューサーや、太田出版から創刊予定のカルチャー誌「リバティーンズ」では再び編集長として参画します。
現在、この二つの仕事をほぼ50%ずつ手がけています。
嶋さんが企画した「本屋大賞」。これは、書店の店員さんが自分が気に入った本に投票するというもの。今年、7年目を迎える。 |
嶋さんがプロデュースしている『「旬」がまること』。タイトルの通り毎回一つの食材をまるごと掘り下げて特集されている。 |
ガイド土橋:
クリエイティブディレクターと編集というのはちょっとタイプの違う仕事に感じますが?
嶋さん:
一見、このふたつは違うものに思われるかもしれません。しかし、実はベースとなっているのはとても似ています。
例えば、クリエイティブディレクターという仕事では、ある商品の広告を作っていきます。
「クリエイティブ」と「編集」はベースは似ていると語る嶋さん |
その過程では、色々なアイデアを考えていきます。そのすべてのアイデアは正しいのですが、かと言ってそれら全てをやるかというと、それは違います。
人の体にはツボというものがありますが、ある人が気持ち良いと感じるツボは肩にあり、またある人は足にといった具合に、人それぞれです。
すべてのツボをいっぺんにを押してしまうと、それはかえって気持ち悪いことになってしまいます。
広告も同じで、すべてをいっぺんにやってもうまくいきません。そこには「選ぶ」ということ、そして、どの順番で進めていくかという「シナリオ」が必要になってきます。
クリエイティブディレクターのこうした作業は、実は雑誌などの編集にとてもよく似ているんです。
沢山の情報の中でどれを選び、まずこれを紹介して次にこれという具合に。
ガイド土橋:
なるほど、実にわかりやすいお話でした。
では、そうした嶋さんのお仕事の中で活躍されているステーショナリーについてお聞きしていきたいと思います。
まずはスケジュール帳からお願いします。