シンプルで使いやすい紙面構成
ダイアリーの中身にはマークスお得意の編集力がいかんなく発揮されている。この「storage.it」は、見開きウィークリータイプ。一週間が上から下に進んでいくベーシックなスタイルだ。カジュアルなダイアリーにしては実にシンプルで余計な情報が極力そぎ落とされている。シンプルに徹したスケジュールページ |
また、紙は白色度が高く、加えて、罫線や数字の色がとても淡い色でまとめられている。これはきっとユーザーが書き込むであろう情報が最もひき立つようにという計算のためだと思う。
色づかいも落ち着いている。 |
編集というといろいろな情報を詰めこみがちだが、マークスのダイアリーでは、これから書かれる情報も踏まえて、土台としての編集がなされているのを強く感じられる。
紙はマークスオリジナルの特抄きのもの。この紙は、紙の軽さと薄さ、裏うつりのしにくさ、そして白色度にこだわったものになっている。
紙の薄さはたっぷりとしたページ数でも重くなりすぎず、そして薄いことでページのめくりやすさ、特にパラパラと一気にめくる時の心地よさにこだわったものになっている。
ふわりとした風合いの紙質。 |
そして、マークスの編集力が最も注がれている巻末のページ。
20代~30代の働く女性をメインターゲットにとらえ、彼女たちが日頃よく使うであろう情報がスッキリとまとめられている。他のダイアリーで見かけないユニークなところでは外国語会話集がある。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語が10ページにわたって様々なシーンで掲載。
プライベート、仕事で世界中を旅する女性をターゲットにしているため、この様な5カ国語の会話集が収録されている。 |
定番の年齢早見表やサイズ表等もカジュアルなテイストで編集されている。特に力が入っているのが地下鉄の路線図。実はこれ、マークス社で独自に作っているものだという。
マークス社自らデザインした地下鉄路線図。落ち着いた色合いに仕上げられている。 |
確かによく見てみると地下鉄の種類を区別するそれぞれの色がやや淡い色合いになっている。それでいて識別性も保たれている。
せっかくダイアリーページ全体のトーンが落ち着いた構成になっていても、いつものビビッドな地下鉄の路線図が入っていては、ちょっと興ざめになってしまう。
遊び心そして実用性も満喫できるダイアリー「storage.it」 |