『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか。』の作者にインタビュー
デビュー作でいきなりベストセラーとなった『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか。』 |
『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか。』は今や7万部を超えるベストセラーになっています。私も読ませていただきましたが、とても参考になるノート術がちりばめられていました。
これまでもノート術の本はいくつもありました。この本が違うのはその著者特有の高度なノウハウではなく、実にシンプルで自分にもこれなら十分できるかもというコツが満載されている点です。日頃、ノートのとり方に思い悩んでいる方々の支持をこの本は得たのだと思います。
さて、今回の「隣の文具活用術」ではその著者、美崎栄一郎さんにご登場いただきます。ノート術のあれやこれやをたっぷりとお聞きしてきました。
本のヒットでさらにお忙しくなったという美崎栄一郎さん |
ガイド土橋:まず、美崎さんのお仕事からお聞きしてもいいでしょうか。
美崎さん:私は花王というメーカーで商品の開発や研究を行っています。これまで担当してきた商品は、皆さんがご存知のところでは、洗剤の「アタック」や「ビーズ」などです。洗剤以外にも化粧品のファンデーションなども作っていまして、主に粉系の商品を専門に手がけています。
ガイド土橋:技術系のお仕事なんですね。私は根っから営業系だったもので、興味があるのですが、技術系の方の日々の仕事の内容はどんな感じで行われるのですか?
美崎さん:一つの商品をゼロから作っていく仕事を行っています。仕事はそれぞれプロジェクトチームで進めていくのですが、ゴールとなる商品が決まると、私は技術系ですので、主に成分などを探すところからはじまります。もし、自社にない成分が必要であれば、社外にそれを探しに行ったり、ということもあります。
技術系というと社内で仕事をしていると思われるかもしれませんが、私はどちらか言うと人と会うのが好きな方なので、積極的に外に出て行くようにしています。
ガイド土橋:一方で会社の仕事以外に美崎さんは様々な勉強会も主催されているようですね。
美崎さん:例えば、「山の手の会 社会人勉強会」というものがあります。これは山手線のすべての駅、29駅で毎回違ったテーマの勉強会を行うというものです。テーマも「人事」や「ビジネスモデル」、「アイデア発想」など、多岐にわたっていまして、その分野に詳しい方をメンバーから募ったり、外部からお招きして開催しています。
その他、「築地朝食会」というものもあります。これは、平日の朝7時に築地のお寿司屋さんに集まって、ビジネス書の著者の方を招きしてお寿司を食べながらお話をお聞きするというものです。
ガイド土橋:そもそも、そうした勉強会を開催したいと思ったのはなぜですか?
美崎さん:社会人のアウトプットの場を作りたかったというのが一番の目的です。それから、そもそも私自身いろんな人に会って交流するのがとても好きだということもあります。
以前はいろいろな異業種交流会に参加していました。しかし、異業種交流会というのは正直なところ当たり外れがあるんですよね。ならばと、自らが興味のあるテーマで自分で開催すればいいと思い始めることにしました。
今では、私が開催した会がきっかけで、新たな会が生まれるという嬉しい状況もおこっています。その1つが土橋さんも参加している「文房具朝食会」です。
ガイド土橋:さて、今回の『「結果を出す人」はノートに何を書いているか。』はベストセラーになっていますね。ところで本を出すきっかけはどんなことだったのでしょうか?
美崎さん:私自身ビジネス書を読むのが大変好きで、いずれ自分でも本を出したいと思っていました。ただ読んでいるだけでなはく、何か行動を起こそうと考え、そして思いついたのが自分が読んで勉強になった本の編集者に実際に会ってみようということだったんです。
ディスカヴァー21、フォレスト出版、サンマーク出版などなど、いろいろな編集者の方とランチミーティングをさせていただきました。その中で編集者が手がけられたベストセラーの本についていろいろ質問をしていったんです。
例えば、「タイトルのこの表現はどうしてですか?」、「帯のこの表現はなぜ?」などなど。一般にベストセラーとなると、著者にスポットがあたりがちですが、その裏には必ず編集者がいらしゃいます。
その編集の方にご自身が手がけられた本のことを質問すると皆さん喜んでお話ししてくださいました。ある意味自分の作品について話したくて仕方がないという感じすらしました。
ガイド土橋:そうした中でご自身の本を作っていくための勉強されてきたわけですね。
美崎さん:そうです。今回の本は、縁あってナナブックスさんから出させていただくことになりました。実はあの本、ノート術という内容ですが、当初は「スケジュール管理」のための本にしたかったという背景がありました。
私はスケジュール管理にとりわけこだわりがあるんです。どんな仕事をしていてもスケジュール管理はとても重要です。スケジュール管理ひとつで仕事はうまくいったり、行かなかったりするということもあります。
ガイド土橋:では、美崎さんの文具術についてお聞きしていきたいと思います。まず、美崎さんがこだわっていてらっしゃるというスケジュール帳からお願いします。
美崎さん:すいません。細かなことなんですが、私は、「スケジュール帳」ではなく、あえて「スケジュールノート」と呼んでいます。今使っているのはコクヨの A 6サイズのキャンパスダイアリーです。
美崎さんが今愛用しているA6サイズの「スケジュールノート」。コクヨS&T キャンパスダイアリー |
これって、見るからにノートじゃないですか。本の中でも書きましたが私はスケジュール管理は手帳ではなく、ノートで行っていると考えています。ですので、あえて「スケジュールノート」と呼んでいるのです。
ガイド土橋:なぜ、この A 6キャンパスダイアリーに行き着いたのですか?
美崎さん:そもそものきっかけは、奥野さんの「情報は1冊のノートにまとめなさい。」です。この本に触発され、奥野さんと同じA6のノートでスケジュールからメモまでそれこそすべて一冊でまかなっていた時期がありました。
奥野さんにならって、A6ノートを使っていたときのもの、。コクヨS&T キャンパスノートに金の紙が貼られている。 |
このとき徹底的に奥野さんの方式をまねて、スケジュールはノートの最後のページに貼り付けて使っていました。とにかくこの方式をじっくりと取り組んでみようと決心し、最終的には合計で10冊も使い込んでみました。
大きな文字で大胆に書かれているノート紙面。 |
そこでつくづくわかったのは、この方式は私には残念ながら合わないということでした。特にこのサイズはノートとしては、小さすぎて書きづらいということがありました。それからスケジュールページが一番最後にあるので、いちいち見るのが面倒だったということもありましたね。
しかし、一方でわかったのは A 6サイズのそのコンパクトなサイズ感です。これは私にとてもしっくりときました。スーツのポケットにも入りますし、ジーパン後ろポケットにもスッポリと収まります。A6サイズはほぼ文庫本サイズですからね。
そこで、すべてを一冊にまとめるのではなく、スケジュールとノートを分けることにしました。そして、A 6のキャンパスダイアリーに行き着いたんです。
ガイド土橋:このA6キャンパスの中でサイズ以外に、気に入っている点はありますか?
美崎さん:スケジュールだけに徹底していて余計なものが一切ないところです。よくスケジュール帳には地下鉄の路線図や暦の早見表、サイズ表等がありますが、私にはどれも不要です。
これにはそうしたものが一切なく、フリーのノートがあるだけです。その代わり私が必要だと思うモノは自分で付け足してみました。ノートには、表紙の裏に付箋をストックしておいて、ちょっとしたメモもできるようにしたりなど。
スケジュールノートの表紙を開くと、付箋や各種シールがわんさと入っている。 |
つまり、これ一冊だけ持っていればOKという訳です。これもとても気に入っている点です。
ガイド土橋:カバーは付けてないのですね。
美崎さん:カバーをつけるとどうしても大きくなって、せっかくのサイズ感が失われてしまうということと、そしてやはり私は、「スケジュールノート」こだわっているからです。カバーがない方が「ノート」らしいですからね(笑)。
ガイド土橋:これはスケジュールページがカレンダータイプとなっていますね。これを選んだ理由は?
美崎さん:やはりカレンダータイプの方が予定や情報が一度に俯瞰できるからです。
意外とスッキリと書かれているスケジュール紙面。 |
ちなみにこの1冊で仕事もプライベートも情報管理しています。
ガイド土橋:そうした沢山の情報を管理するには記入スペースはやや小さくはありませんか?
美崎さん:私の予定は大体午前に2件、午後が1~2件、そして夜が1件と最大でも5件です。つまり、5行あれば足りてしまう訳です。ですので、このスケジュールスペースで十分と言えます。あまりいっぱい書けると、自分自身が動けなくなってしまいます。
ガイド土橋:では、来年もこのスケジュールノートをお使いになる予定ですか?
美崎さん:実は、今悩んでいるんです。と言いますのも、この1年間で私は、著者としての仕事も追加されたので、来年は少し大きめの A 5サイズにしようかと今考えてるところなんです。
サイズだけでなく、できれば「スケジュールノート」は、毎年変えたいと考えています。変えることで前に使っていたものの良い点そして悪い点、同時に今のものの良い点、悪い点もわかるようになってきます。それによって、さらに改良のアイディアが生まれてきます。
以前、A6ノートを10冊も(我慢して)使っていたのも、しっかりと今に活きています。乗り変えることで見えてくるということがあるものです。変える利点はこれ以外にもありまして、気分が変えられるということもあります。自分に変化を与えるために変えるというのも効果的なんだと思います。
ガイド土橋:では、次にスケジュール帳の書き方でこだわっていることは?
美崎さん:何か書くときは、3つの情報だけしか書かないようにしています。それは、「時間」、「イベントの名前」、「場所」です。略字も交えてコンパクトに書いていきます
ガイド土橋:スケジュール紙面を拝見すると、ペンの色もカラフルですね。これは何か意味ではあるのですか?
美崎さん:全く何の意味もありません。そこにあるペンで書くというだけなんです。私は、いろんな色が使える多色ペンをよく使っています。
滑らかな書き味がお気に入りというジェットストリーム4+1。そしてメモに書き込む時に使っているゼブラ 紙用マッキー。これはインクの裏写りが少ない。 |
この多色ペンでアットランダムにいろんな色で書き込んでいます。こうすることで同じ色は同じ時に書いているという記録が残ります。これは結構、後で読み返した時に重要なキーワードになることもあります。
ガイド土橋:ペンでの筆記だけでなく、随所にシールもありますね。
美崎さん:これは、「ニチバン マイタックラベル リムカ」という無地のシールです。毎月、定期的に行われる予定はパソコンで予め印刷するということも行っています。
スケジュール紙面のあちこちに貼られているシール。 |
以前、パソコンのOutlookでスケジュール管理をしていたことがありました。パソコンでスケジュール管理する時の最大の良さは予定を簡単にドラック&ドロップで移動できる点です。アナログのスケジュールノートでも同じ事が出来ないだろうかと思いこのシール方式を思いつきました。
毎月必ず行う予定はあらかじめシールを作っておいて、初めはスケジュールの欄外にストックしておきます。そして、スケジュールを立てる時に1枚1枚を日付スペースに落としこんでいくという使い方です。
その月にやるべきタスクは、この様にまず欄外に貼っておく。 |
これだともれなく行えるという点で大変便利です。このリムカは貼ってはがせるタイプになっていますので、ドラッグ&ドロップが簡単にできます。
こうした様々なシールはニチバンのマイタックラベル リムカで作っている。シールはこれまで100種類以上も出来たという。 |
ガイド土橋:このシールをスケジュールに貼るというのは女性の方々がよくやっている方法に似ていますね。
美崎さん:いや、実は少し違います。このニチバンのシールは貼ってはがせるタイプになっています。女性の方々のシール方式は貼ったままというのが多いと思います。その点がちょっと違いますね。
ガイド土橋:スケジュールページを拝見すると、水曜日のところがマーカーで囲ってありますが、これは?
美崎さん:この日は予定を自分で入れない日と決めています。予定というものは自分で入れるものばかりとは限りません。誰かから依頼されて入る予定というのもあります。そうした予定のためにあらかじめ空けておくんです。こうしておけば急な依頼にも、オーバーフローにならずに済みます。もし、水曜日にそういう予定が入らなければ、自分のタスクを処理する日にあてていきます。
ガイド土橋:なるほど、これは私も取り入れてみたいと思います。さて、タスクのお話しが出たところで、そのタスク管理についてお聞かせいただけますか?
美崎さん:タスクは大きく2つの方法で管理しています。まず1つがノートでの管理です。いわゆるロディアのようなメモパッドでの管理は行っていません。私が実践している一つ目の方法は、ただただノートに書き込んでいくだけというものです。
ガイド土橋:しかし、ノートだと、どうしてもタスクがあちこちに点在してしまい、タスク自体が埋もれてしまいませんか?
美崎さん:
ToDo管理のために新たなツールを使うのではなく、既存のものを実にうまく活用している。 |
そして、もう1つのタスク管理はメールによるものです。そもそも依頼事というのは今やメールで来るのがほとんどです。ですので、そのメールをそのままタスク管理として使っていきます。
基本はためずにその場でどんどん処理していきます。私は Gmailを使っていまして処理をしたものはどんどんアーカイブ化していきます。つまり、残っているメールがなくなれば終了という、わかりやすいスタイルです。
ガイド土橋:そうはいましても、その場で処理できるものばかりとも限りませんよね。そんな場合はどうされるんですか?
美崎さん:そうですね、その時は、今答えられるものだけ、その場で回答して、そのメールを相手の方に送信するときに、 BCC で自分宛にも送っておきます。こうしておくと、再びメールリストに追加できる訳です。
ガイド土橋:なるほど!これは実にシステマティックですね。次にノートについてお聞かせください。今使っているノートは?
美崎さん:今使っているのはコクヨS&TのA5サイズのノートです。基本はこのA5サイズをよく使っています。土橋さんも以前どこか書いていましたが、私も同じ理由で机の上に PC を置いた時に一番しっくり来るのがA5サイズだからです。基本このA5ノートですが、たまにB5サイズを使ったりすることもあります。ノートは、毎回いろんなものを使うように心がけています。
A5サイズだけでなく、B5サイズもある。表紙の色もまちまち。 |
やはり、ノートもいろいろと変えるようにしています。ただ唯一こだわっているのは開いたときにフラットになるという点です。私の場合、ノートは外で使うよりも自分の机や会議室のテーブルの上が中心です。つまり、手に持って使うというシチュエーションはあまりなく、あくまでも机に置いて使うのが中心となります。
ですので、この時に書きやすいように紙面がフラットになるというのが私の場合、とても重要となります。
ガイド土橋:ノートの書き方でこだわっていることは?
美崎さん:ノートを開いた見開き2ページに一つのプロジェクトを書いていきます。ちょうど画用紙のようなイメージです。
見開き2ページをいっぱいに使って書かれている。 |
時系列に書くというのではなく、そのプロジェクトについて後日思いついたこと等があったら、そのページに戻って書き留めていきます。先程も触れましたが、私はいろいろな色のペンを使っていますので、色が違うことで書き足したということが後でわかるようになります。
ガイド土橋:書き終わったノートはどのように管理していますか?
美崎さん:表紙を含めて全ページをスキャンしてデジタル化し、その後、潔く処分していきます。複合機でコピーをとるように1冊のノートをすべて淡々とスキャンしていきます。このときスキャンしようかどうしようかなどという判断は全く入れません。判断するとどうしても時間がかかってしまいます。
ただスキャンだけするのであれば、1冊大体5分くらいで終わります。こうした単純作業は、仕事をしていて眠くなった時に気分転換として行うようにしています。スキャンしたデータは PC そして iPhone に入れておきます。
スキャンしたノートは全て、iPhon入れて持ち歩いている。アイコンにはノートの表紙がある。違うデザインやカラーのノートを使う意味がここにある。 |
私は、デザインやサイズもまちまちのノートを使うと言いましたが、これは最終的にこのようにデジタル化してしまうので、そうしたことを気にしなくてもいいということなんです。もし本棚にノートしまうのなら、きっちりとサイズやデザインも揃えるべきでしょうね。
ガイド土橋:そうしたデータをあとで見返すことって実際のところありますか?
美崎さん:正直それほどありませんね。しかし、このとってあるという安心感には変えられないと思います。
ガイド土橋:次に、メモパッドのようなものはお使いですか?
美崎さん:コクヨS&Tの デミクーパーというものを使っています。
ToDoではなく、アイデアなどの発想に使っているというメモパッド、コクヨS&Tの「デミクーパー」*コンビニのサンクスで販売されている。 |
私はロディアがあまり好きではありません。その理由は罫線が目立ちすぎて書きにくいということなんです。その点このメモは、罫線も薄くていいですね。しかも、真ん中にミシン目がありまして、小さいカード状に切り取ることも出来ます。
私はこれをパワーポイントで企画書を作るときによく活用しています。この小さいカードをパワポの1ページと見立てて、見出しだけを書いてストーリー立てを考えていきます。
書き込んだカードを並べ替えて構成を考えるという使い方。 |
机の上に置いて、ちょうどトランプのように並べ替えてロジックを組み立てていきます。付箋だと、どうしても机に貼り付いて動かしにくいということがあります。
またアイデア発想にも役立ています。仕事で考えなくてはいけない企画があれば、その事を1枚のメモに書いておきます。そうしたページをあらかじめ幾つも作っておきます。
予め考えるべきアイデアのテーマだけ書いておく。 |
そして通勤の時間にこのメモパッドを取り出しアットランダムにページをめくります。そこで出てきた企画のテーマを電車の中や移動時間の中で考えていくということです。ゲーム感覚で、しかも限られた時間なのでとても効果的です。
ガイド土橋:書類のファイリングはどうされていますか?
美崎さん:ファイルは一切使っていません。必要な書類があれば、縮小コピー等してすべてノートに貼り付けていきます。なぜノートに貼るかというとファイルをしてしまうと、どうしてもそれっきりとなり、後で見返すことがなくなってしまうからです。
会った方の名刺もこの様に縮小コピーしてノートに貼ったりはさんだりしている。ちょっとした時間があるときに見ると、名刺を見てるだけでいろいろなアイデアが生まれてくることもあるという。 |
いつも持ち歩いてるノートならその心配はありません。
気になる記事もどんどん貼っていく。 |
ガイド土橋:美崎さんは、実に文具活用方法を試行錯誤されていますね。ちなみに今後さらに試行錯誤をしたいと思っていることはありますか?
美崎さん:実は一つあるんです。それは、スケジュール帳を毎年ではなく、毎月変えてみようかと思っていることです。おそらくこれまで誰もやったことはないので、純粋にやってみたいというのがあります。
やはり、やってみることでこれまで見えなかったことが新たに見えてくるかもしれません。具体的なイメージもありまして、何か一冊をベースに決め、12種類のスケジュールページをコピーして順番に貼っていくというものです。スケジュール帳はせいぜい1冊1500円ぐらい。私はビジネス書を毎月何冊も買って読んでいます。それに比べれば月1500円は全然高い投資ではありません。
ガイド土橋:それはとっても興味深い取り組みですね。ぜひ、その結果を教えていただきたいです。ではいよいよ最後の質問となります。美崎さんにとって文具とはどんな存在ですか?
美崎さん:
文具を必要以上に偏愛するのではなく、道具として一定の距離感を保ちつつ、活用されている。 |
私はよくこのたとえをお話するのですが、野球の一流選手であるイチローは所属チームのマリナーズからバットやグローブを支給されていませんよね。イチロー自身が一番いいと思う道具を自分で選んでる訳ですね。
一方、仕事をしている私たちは仕事道具である文具にやや無頓着な気もします。会社から支給されたものを使ったりする人もいますよね。
もし、自分の実力を今よりアップさせていきたいのなら、より自分に合った道具を使うべきだと思います。その方が目標にも早く到達できるはずです。いろんな文具を使って、良いものは良い、ダメなのものはダメと、判断をしていくことが仕事の効率化に繋がっていくのだと思います。
ガイド土橋:本日は、ありがとうございました。
取材後記
美崎さんの本をあらかじめ熟読して今回の取材に臨んだのですが、新たに目からうろこが落ちるばかりで、もうこれ以上落ちるものは何もないという状態になってしまいました。それほどまでにとても参考になりました。中でも一番印象に残ったのは、とにかくいろいろなものを試してみるということ。特に今後計画されているという毎月スケジュール帳を変えるというのには驚かされました。
しかし考えてみますと、1年で1冊使うより1年で12冊使えば、見る目は当然養われて、自分にあったスケジュールノートとの出会いもその分、早くなることでしょう。
沢山のものを試して使う一方で、日々持ち歩いてるものは、スケジュールノート、A 5サイズのノート、メモパッドというシンプルな構成です。そのシンプルさの下には、沢山の文具を使ってきた経験の裏打ちがあるということを強く感じました。
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