ガイド:
このノートにはどんなペンを使いますか?
マイクさん:
使い込まれた「ファウンテンケース」に
入った愛用のペン。おもに万年筆や水性ボールペンを使っています。ペン選びには一つだけどうしても譲れないことがあるんです。それは力を入れなくてもしっかり書けることです。ペンに筆圧をかけないと書くことができないようなペンはどうしても私には合いません。ですので、おのずと軽く書ける万年筆や水性ボールペンになります。この万年筆はイギリスのヤード・オ・レッドのものです。私は手があまり大きくないので、この細いボディがピッタリなんです。
入った愛用のペン。おもに万年筆や水性ボールペンを使っています。ペン選びには一つだけどうしても譲れないことがあるんです。それは力を入れなくてもしっかり書けることです。ペンに筆圧をかけないと書くことができないようなペンはどうしても私には合いません。ですので、おのずと軽く書ける万年筆や水性ボールペンになります。この万年筆はイギリスのヤード・オ・レッドのものです。私は手があまり大きくないので、この細いボディがピッタリなんです。
デザイン案のドローイングから文字まで幅広く愛用している
ヤード・オ・レッドの万年筆。
ヤード・オ・レッドの万年筆。
この万年筆でアイデアイラストなんかもよく書くんですが、その際ちょっと変わった使い方をしています。それは、ペン先の向きを変えるというものです。例えば、太い線を書く時は普通に書き、細い線が必要な時にはペン先を裏返して書いたりしています。本来の万年筆の使い方ではないと思いますが、こうすると一本で太い線、細い線の両方が書けます。
万年筆のペン先を裏返して細い線を書くという。
水性ボールペンは三菱鉛筆のユニボール アイを愛用しています。これは水性でありながら耐水性になっています。書いたイラストに水彩絵の具で色を塗るときには、線が水で流れてしまうことがないので便利です。
万年筆の他、トンボの赤青えんぴつ、三菱鉛筆のユニボール アイ(水性ボールペン)などもよく使うという。
手元に水彩絵の具がない時にはこの「ウォーム&クール鉛筆」を使っています。
ガイド:
「ウォーム&クール鉛筆」?これはいわゆる赤青鉛筆ですよね。
マイクさん:
そうです。トンボ鉛筆のものです。「ウォーム&クール鉛筆」という呼び名は私が勝手につけた名前です。
デザイン画に色を塗る時に使う赤青えんぴつ。
マイクさんはこれを「ウォーム&クールえんぴつ」と呼んでいる。
マイクさんはこれを「ウォーム&クールえんぴつ」と呼んでいる。
ウォームは赤、そしてクールは青。赤は浮かび上がって見え、青は沈んで見えるという特性があります。ドローイングに立体感を出す時にこの2色を入れるとぐっと引き立って見えます。
ツールボックスには、先ほどのペンやはさみなどが入っている。
ガイド:
このノートの紙面は1mm 方眼になっていますが、これは何か理由がありますか?
マイクさん:
文字と図面の両方が気持ちよく書けるためです。方眼というと5mm が一般的ですが、5mmだと、特に文字を書く時には、そのマス目についつい意識が向いてしまいます。この1mm のタイプでは、文字を書く時にはマス目をほとんど意識せずに自由に書くことができます。もちろん、図面やドローイングを書く時には便利ですしね。
ガイド:
こうして書いたノートはどのように整理・保管していますか?
マイクさん:
自分で書いたノートは基本的に捨てずに保管しています。こんな感じでリングに紐を通して3~4冊つなぎ合わせています。このスパイラルノートには背表紙がありますので、日付などのインデックスを入れることもできます。こうした束になったノートはスタジオの本棚に入れておきます。
書き終えたノートは決して捨てず、
こうしてヒモで束ねて保管しておく。
こうしてヒモで束ねて保管しておく。
ガイド:
保管するということはよく見直すこともありますか?
マイクさん:
実はそれ程ないんです。先程もちょっと触れましたが、私にとって書くということは書いて保存するというよりは、記憶にしっかりと覚えさせるという意味の方が強いですね。書くことで覚えられるんです。脳にインプットするということなんでしょう。