落ち着いたカラーリング
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筆記具のカラーとしては珍しい中間色。 光加減できれいなグラデーションを生み出す。 |
オブジェクトのもうひとつの特徴として、豊富なカラーバリエーションがある。いわゆる赤や青といった一般的な色ではなく、どれも微妙な中間色になっている。これはアルマイトという表面処理によって仕上げられている。
こうした中間色のペンは筆記具の中ではあまり見かけることがない。それは、この処理が大変難しいためだ。アルマイト処理は大変繊細で、ちょっとした作業環境の温度や湿度などで、仕上がりの色が変わってきてしまうのだと言う。特にペンは、キャップとボディが別パーツであるため、それらの色あいがぴったりと一致しなくはならない。そうした点が難しいため、筆記具では敬遠されてきた。
気軽に使える。
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急いでいるときもサッと使える、引っ張るだけのキャップ式。 |
先程のアルマイトカラーのボディはややザラザラとしていて、指先にほどよく馴染む。唯一シルバーボディタイプだけは違った表面処理をされているようで、ツルツルとした感触。そして何といってもアルミボディということでとても軽量でいい意味での万年筆らしさがない。これまでボールペンを使い続けてきた人にも、きっと違和感なく手にすることができるだろう。
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ステンレス製ペン先は丸みを帯びた形状で硬めのタッチ。 |
ステンレスのペン先を紙の上において書いてみる。ペンがやや丸い形状をしているせいもあり、硬めの書き心地。ペン先のしなりはないので、これも日頃ボールペンで筆圧を強く書いている人にはしっくりとくると思う。日本人には嬉しい字幅はF(細字)のみ。ノートや手帳に細かく書くのにも適している。
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ペン先は普段使いに最適なF(細字)のみの設定。 |
インクはカートリッジ(ブルーのみ)だけの設定ではあるが、一般的な形状をしているので、合うものがあればコンバーターもセット可能だという。
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インクはカートリッジ式。ボディには予備カートリッジも1本収まる。 |
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スーツの胸ポケットにさしても映えるボディカラー。 |
今回のオブジェクト万年筆は、ボールペンユーザーの方にも必要以上に万年筆ということを意識せずにすんなりと使うことができると思う。ほどよい計量感、書き味そして独特のカラーで持つ楽しさも味わうこともできる。まずは1本という方に、そして、すでに万年筆持っているという人には、カジュアル サブ万年筆としてもいいのではないだろうか。
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